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香桑の近況

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絵本・写真

2012.08.04

九州の滝:100の絶景

Dsc_04861_2 熊本広志 2007 海鳥社

最近の愛読書。
正確には、読まずにうっとりと眺めている。
涼しげでいいのだ。この季節、水が恋しくなるから。

屋久島で大川の滝に出会って以来、滝にはまっている。
水の音に耳を傾け、しぶきを体に浴びながら、全身で感じるのが好き。
80mを超える瀑布の迫力は素敵だけど、10mぐらいの落差で幅広の滝も見てみたい。
次はどこに行こうかな。そんなときに参考になる一冊。
滝の落差、所在地、問合せ先と電話番号や周辺地図まで掲載されている。

カメラマンの人らしく、どんな風に写真を撮ったのかも書いてある。
撮影好きの人には、そんなところも参考になるのかな。

貸してもらったまま数週間、そろそろ返さなくちゃいけないけど、手放しがたい。
自分でも買っちゃおうかな。
そして、いつ行ったか、誰と行ったか、記録していきたいかも。
100をコンプするのは大変そうだけど、この中からお気に入りを1つ2つ見つけられたらいいと思う。

2012.06.05

羊男のクリスマス

村上春樹 1989 講談社文庫

ほんわかのんびり。
ちょっぴり理不尽。
もこもこふわふわの羊男は、立場が弱い。気も弱い。
しんみりするのは、祭りの後は寂しくなるものだから。
イラストの優しい風合いに支えられて、暖かく仕上がっている絵本だ。
クリスマスの贈り物を、羊男と一緒に心の中に受け取ろう。

職場で回ってきた本。
私にとって、もしかして、初めて最後まで読めた村上春樹の本かも。
読み終えて、シナモン味のドーナツか、スティック状のねじりドーナツか、どちらか、あるいは、両方を食べたくなった。
昼休みに、某大手ドーナツ屋さんに行ってみたら、どちらもなかった。
スティック状のシナモンドーナツがあったら、山ほど買って、冒険のお弁当にできたかもしれないのにね。
しょうがないから、オールドファッションハニーと米粉ドーナツよもぎを買って、素直に職場に戻った。
冒険はお預け。残念。

ふふふ。
クリスマスまでなんて、あっという間なんだよ。きっと。

2012.04.21

禅語

石井ゆかり 2011 パイインターナショナル

表紙の白い蓮の花の美しさにうっとりして手に取った。
PIEの本は写真が綺麗で、ついつい欲しくなってしまう。
写真の美しさから入ってもいい。言葉の意味深さから入ってもいい。
どちらからでも味わえる。しかも、少し小ぶりで手に馴染む。

喫茶去や本来無一物、明鏡止水といった、見覚えはあるが意味はいまひとつ自分では説明がつかない言葉。
漢詩や慣用句、あるいは、単語といってもいい言葉。
それぞれの言葉に意味や由来を付け加えた上で、エッセイが添えられている。
通して一気読みするよりも、1日に1つか2つ、ゆっくりと味わいながら読んでいきたい。
その文章のページにも、何気ない図柄が配されていたりして、趣のある本なのだ。

「薬病相治」という言葉を知った。
なるほどと思った。
私の日頃の営みはまさに相治す。
私は薬であり、病である。

祇是未在。
他不是吾。
まだまだ学ぶべきことは多い。

春在一枝中。

雪月花の美しいときはあなたを思い出して想うよ。

2010.06.21

日本国憲法前文お国言葉訳:わいわいニャンニャン版

日本国憲法前文お国ことば訳 わいわいニャンニャン版  勝手に憲法前文をうたう会(編) 岩合光明(写真) 2010 小学館

ひとめぼれ。
平積みされた猫写真に目が留まったものの、惚れ込んだのは中身だ。
この企画、いい。
思いつきに惚れ込んだ。

あなたは日本国憲法を読んだことがありますか?
改憲/護憲を話しあうその前に、憲法そのものを読んだことがありますか?

高知の女性が思いついて、ブログやフリーペパーでお国言葉訳を集めた。
お国言葉にするプロセスで、それぞれが前文を理解する。咀嚼して、自分の身近なものにひきつけて、憲法について考える。
思いつきも素敵だけど、思いつきだけで終わらせない。
そこがとってもはちきんで素敵。

どんな表現になるのか。
自分の馴染みの言葉は音声として再現できるし、発音やイントネーションがいまひとつわからない言葉もある。
5年間で90以上。全都道府県網羅。
と言っても、一つの都道府県内でも地方によって言葉は変わる。著者(編者?)も書いているが、世代や年代によっても変わる。
幾つか集まったものの中からどれを選ぶか、どんな訳にしていくか。
その裏話もいくつから書かれており、そこも面白くて温かい。

あっちは? こっちは?とページを繰るうちに、日本国憲法前文を憶えてくる。
逐語で丸暗記するわけじゃないけど、そのスピリットがじわわーっと染みわたってくる気がした。
声に出して、読んでみた。次から次に読んでみた。
そのうち、涙が出てきて自分でもびっくりした。
すごく強い祈りのように、感じたから。たくさんの祈りを感じたから。本当に、心と涙腺にじわわーっときた。

疲れたら、猫の写真で和む。この辺りのバランス感覚も日常的でいい。
美人さんとは限らないけれど、お国言葉に合わせた各都道府県の普通の猫たちだ。
愛媛のこは何やってんのーっと笑いたくなったし、沖縄のこはナイス前足。
京都のこの後姿の貫禄。寝姿はどの子もこの子も、知らずに微笑が浮かぶ。
彼らがのーんびりとしている景色って、平和じゃない?

私は第9条も含めて、今の憲法が好きだ。
視野が広くて、理想と誇りを感じさせる文章だと思う。
古い言葉の凛としたたたずまいも好きだったりする。
好きで悪いか。平和で悪いか。
私の読書も猫とのお昼寝も美味しい御飯も、この憲法に守られているんだけどな。

いわゆる護憲とか改憲とか、立場に分かれた運動を離れて、読んでもらいたい。

2010.05.10

アジアの美術:福岡アジア美術館のコレクションとその活動

アジアの美術―福岡アジア美術館のコレクションとその活動  福岡アジア美術館(編) 2002(改訂増補) 美術出版社

福岡市立アジア美術館。略して「あじび」。誕生したのは1999年。
私が手に取った改訂増補版は2002年刊行であるが、初版は1999年。
あじびが生まれると同時に出された本だということがわかる。

この本は、あじびのコレクションの単なる紹介ではない。
サブタイトルにある通り、ワークショップなど、現在にまで続く活動が紹介されている。
増補されたのは、このオープン後の活動の部分らしい。

個人的に面白かったのは、アジア各国のアートシーンの解説である。
美術という観点から切り取られた記述の中に、およそ10年前の諸国の社会情勢を読み取ることができる。
旅行で見るのは現在の姿であるが、その姿のちょっと前を知ることができる思わぬ情報源となった。
変ったところもあれば、変わっていないところもあろう。また改定が必要なぐらいの変化が起きているエリアもあるのではないか。
アートを味わうときの予備知識としても役立つが、現在のアジアを思う人にも興味深いのではないだろうか。

2010.02.15

やつがれと甘夏

やつがれと甘夏―絵本漫画  くるねこ大和 2010 幻冬舎

くるねこさん、初の恋話!?
……と聞かされながらも、油断はしていけない。
なぜなら、前作のことがあるからだ。

やつがれは、チビ太と一緒に住んでいる。
チビ太の母親はいない。チビの後に拾われた仔猫である。
そう。ちゃんと忘れ物を取って、戻ってきたのだ。
鍼の先生も奥さんをもらい、毎日はのどかに過ぎ行く。
その中で、やつがれが一目惚れをしちゃったもんだから、どーなる?

干からびるほど、泣いて泣いて、その後に、それでも続く毎日。
前回は子を喪う悲しみであったが、今回は親を亡くす悲しみである。
それぞれの悲しみを抱えながら、新たな出会いもあれば、出会いがもたらす喜びもある。
だから、きっと生きていくことはできるから。
その悲しみが重くなくなる時がきっと来るから。
悲しみに打ちのめされず、そっと空に帰すような爽やかさを感じた。

白大福というのも、めでたくてよい比喩じゃないですか。
いやー。甘夏ちゃんが、度胸の据わった、根性のよい子なんだわ。
途中、案の定、しんみりとしてしまったが、ほっこりしながら本を閉じた。

仲良くおなり。みんなみんな仲良くね。
幸せになるんだよ。せっかく生まれてくることができたのだもの。

2009.08.18

花のあしらい帖

花のあしらい帖 (オレンジページムック)  大久保有加 2009 オレンジページムック

一本からできるお花の飾り方。ポジティブ花言葉つき。

景色の中に自分以外の生物の気配があること。植物でいい。
たったそれだけで、部屋の空気がぐっと和らぐ。
おもてなしのためでもいい。誰かの心を慰めるためでもいい。
何よりそこで息する自分のために、空気が整う。

ほんの一輪か二輪。なにも特別な、高価な花でなくてもいい。
庭先で手折った花や、アレンジメントの中で長生きした花。花屋さんで一目ぼれした花とか。
その花をどのような器にどのように飾れば、貧相にならずにあしらうことができるか。
ガラスのコップに活けるだけのことが、ほんの少しでも見栄えよくできたら。

花を飾るってことは、贅沢でもなんでもない。
花の名前を知っていること。好きな花があること。
原産地、その仲間や生態、花のついていないときの姿など、たとえ詳しいことは知らなくてもいい。花言葉だって、気になるかどうかは人それぞれ。
身の回りのことに少し視界が開けていること。それが心の豊かさの指針の一つじゃないだろうか。

生活に彩を添えるための小さな工夫は、気軽にやってみようと思える。
写真集としてもなかなか綺麗。次は何をあしらってみようかな。

2009.08.04

あの海の日

あの海の日  野寺治孝 2006 ピエ・ブックス

南の島に行きたくなるとき。なにもかも置いて、なにもかも忘れて、なにもかも捨てて。
そんなときは、南の島の山にわざわざ行こうとは思わない。
やっぱり、憧れるのは海辺なのだ。

海の青、空の青に溶けてしまいたくなるような憧れを持つときは、きっと自分が疲れているのだと思う。
白い浜、白い波、白い雲。人も目に映らぬほどの広い空間の中で、ただただぼうっとしてみたい。
そんなときに、とりあえず、今いる場所から気持ちだけ逃避するのに便利なツールがこの本。
まるでよく冷房の聞いたホテルの窓から眺める浜辺の景色のように、心が誘われる写真集だ。

お気に入りの一枚を見つけたら、しばらく見入ってみよう。
汗ばむ気温、潮の香り、止むことのない波の音、潮を含む風の爽やかだけどべたつく感じ、肌をじりじりと灼く日差し。
きりりとよく冷えたモヒートを片手に、多分、夏の旅行のプランが頭に浮かんでいるだろう。

2009.06.19

スウィング!

買ったきっかけ:
ひとめぼれ。
買ったのは日本語版のほうです。

感想:
とても楽しいしかけ絵本だ。「読む」というより「遊ぶ」絵本だ。
シリーズ2冊目はスポーツがテーマ。
ページをめくると、選手達がいろんな動きを見せてくれる。
スムーズに、うつくしく、彼らが動くためにはちょっとコツが必要。
大人だってはまっちゃう、楽しい楽しい絵本だ。
つい、時間を忘れてしまって、ぱたぱたとページを動かした。

おすすめポイント:
最後のページがいい。読書も運動もどちらも大切。
選手達と同じこと、自分の体でできるかな?
「さあ、そとにでて おもいきり からだをうごかそう!」

Swing!: A Scanimation Picture Book

著者:Rufus Butler Seder

Swing!: A Scanimation Picture Book

2009.05.24

猫の本:藤田嗣治画文集

猫の本―藤田嗣治画文集  藤田嗣治 2003 講談社

レオナール・フジタ。
その人の絵は、女性の肌を独特な乳白色で描いたことで有名だそうだが、猫がよく出てくることでも有名だ。
特別展のポスターを見ていると、なんとなく居心地の悪くなるような絵だと思って、私は見に行かなかった。
代わりに、見に行った家族が御土産に買ってきたのが、この本だった。

猫が可愛い……とは言えないかも。
やまと絵風に描くと半端にリアルで、猫は可愛いというより不気味になる気がする。
特に、目が。
けれども、めんそう筆と墨で描かれたふんわりとした毛並みの柔らかさは、ほかに見ないほどで撫でてみたくなるほどだ。
だから、ころんと丸まったり、のんびりながながと寝そべっている姿の猫だけ、選んで眺めていたりする。

藤田は猫には「ひどく温柔かな一面、あべこべに猛々しいところがあり、二通りの性格に描けるの面白い」と書き残しているそうだ。
複数の猫が争っている図は、観察している人ならではで、画家がまぎれもなく猫と身近に暮らしていたことを実感させられる。
それがまた、ひどく躍動的で、まことに猫らしい猫の絵なのだ。

この本には藤田のエッセイもいくつかちりばめられており、画家に興味のある人には手に取る価値があるだろう。
画家には興味がなくとも、1920年代にフランスに留学していた日本人の生活が垣間見えることも面白い。
路上で捨てられていたような猫を拾い上げて飼っていたことや、フランスに留学しながらも日本の筆と墨にこだわったこと、帰国してからも忘れえぬフランスへの思慕の念など、文章を読むことで藤田の印象が少し変わった。

森見登美彦『恋文の技術』に何度も藤田の名前が出てきたが、何度見返してみても、猫も怖いが、女性はもっと不気味である。
総じて私は苦手なのですが、だんだん、見慣れてきた気がします。

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  • ボランティア・寄付ならプラン・ジャパン
    子どもとともに途上国の地域開発を進める国際NGO

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