レッド・クイーン
V・エイヴヤード 2017 ハーパーBOOKS
これは面白い。
レッドとシルバーの二つの階級に分かれた世界。
レッドは働いたり、戦うことを求められる下層の階級で、赤い血を流す普通の人間。18歳になって職業についていないときには、徴兵されて5年の軍役につくことになっている。
シルバーは恐怖でレッドを押さえつける上層の階級で、銀色の血液が流れている。王侯貴族から、町の中に住む市民層まで。彼らは冷酷であると同時に、不思議な力を持っている。
シルバーの持つ力は様々で、炎を燃やすバーナー、緑を育てるグリンワーデン、水を操るニンフ、影を操るシャドウ、金属を思い通りにするマグネトロン、腕力をアップさせるストロングアーム、どんな傷も治すヒーラーなどなど。
魔法使いのようにも見えるとこれはファンタジーだし、超能力者だと思うと途端にSFのように読むことができる。
彼らの戦いはビジュアルに訴えかけてくるものであり、描写は読みながら映像として目の前に立ち現れるようだった。
そんな階級社会のレッドに生まれた少女メアが主人公だ。18歳の誕生日を間近に控え、兄たちと同じように徴兵されるだろうとあきらめている。
メアが村で出会った青年がきっかけで、シルバーの中でもハイクラスのシルバー、よりにもよって王宮で務めることになり、メアが特別なレッドであることがわかる。
そんなあらすじだ。
Kindleで無料試し読みになっており、無料というところにつられてダウンロードして読み始めた。
この試し読みは冒頭の数章のみで、続きを読ませろぉぉぉっというところで、上手に「続きは製品版で」となっている。
本屋さんに探しに行くのももどかしく、全体を購入し、ダウンロード。
うまい商売である。
続きを一気に読んだところ、やっぱり、続きを読ませろぉぉぉぉっ!はよ!!ってところで終わっていた。
どうやら三部作とか四部作になるらしい。
戦う女の子を応援したい読み手としては、これはかなり美味しいシリーズになる予感。
粗野な下層階級出身でスリで糊口をしのいでいたできそこないの娘であるメアが、この先、どんな大人の女性になっていくのだろうか。
クイーンにふさわしい女性となっていくことを期待する。
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