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2022年11月

2022.11.28

魂でもいいから、そばにいて:3・11後の霊体験を聞く

奥野修司 2017 新潮文庫

東日本大震災。
突然、大事な存在を失った人たちが、その後の日々をどのように生き延びてきたかを教えてくれる一冊。

解説は彩瀬まるさん。
彩瀬さんが「苦しい読書だった」と書いているが、私にとっても苦しい読書だった。
ひとつひとつの別離の記憶だけでもずっしりとするのに、最初から最後まで、いくつもの別離が積み重ねられているので、ずっしりとしないわけがない。
少し読んでは休み、少し読んでは休み、気づいたら何か月も持ち歩いて、表紙はすっかりぼろぼろになってしまった。

被災地の幽霊譚は、断片的に耳にすることがあった。
あの災害だ。それもさもありなんと思った。
それを真夏の幽霊譚のように消費するコンテンツのような扱いをしていない。
このタイトルの、真摯で切実な響きそのままに、著者は丁寧にひとりひとりの物語を聴取する。

著者は同じ人に3回のインタビューをしており、その3回のなかでも変化があったり、喪のワークについてのすぐれた資料集として読むことができる。
そんな風に、読み手である自分のほうが心理学的な解釈をしながら読んでしまいそうになるのだが、著者がそういった余計な解説や解釈をしないところに好感を持った。
不思議なことは不思議なままに置く、その慎重な姿勢が、話し手を傷つけることのないインタビューにしているのだと思う。

これらは、「生者と死者がともに生きるための物語」であり、生きのびるための知恵の物語だ。
そこに、死者の思い出を忘れることなく投げ捨てることなく抱え続けながら、それでも生き延びていくために、生きる価値、生きる意義、生きる喜びを紡ぐ営みを見出すことができるだろう。

過酷な体験をした被災者は、自らの体験を語ることでセルフケアをしたいのだ。それらを受け止めてもらえず、悶々と過ごしている被災者いる社会こそ異常ではないだろうか。(p.116)

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