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2019.11.24

花咲く神楽坂:謎解きは香りとともに

じゅん麗香 2019年12月24日刊行予定 マイクロマガジン社ことのは文庫

するりと読める日常の謎を扱うミステリ。残酷な描写はないので、安心して読むことができる。
大柄で強面、感情表現の希薄な19歳、待雪が主人公。隣家に住む幼馴染のマリア。
待雪が、花屋の店長である薊と出会い、そこでアルバイトをするようになって、物語が動く。
薊とその兄の満作のイケメンぶりも物語のよいスパイスになっているが、様々な花と花言葉の蘊蓄も楽しい。

舞台となる神楽坂は、東京の街の中でも西北のほう、早稲田の近く。古くは花街として栄え、料亭も多いという。
地方に住んでいると地名しか知らないような場所であるが、町の詳しい地図を知らなくても、十分に読み進めることができる。
せっかくなら、東京に住んでいた時に足を延ばしてみればよかったのに、と思わないでもなかったが。

非常によく書かれている物語で、主役たちも魅力的である。
その点、シリーズ化されてもいいような一冊だと思う。
楽しんだうえで、あえて一点だけ、残念なことを付け加えておきたい。
それは、女性の登場人物たちが一様にステレオタイプにパートナーシップのことでしか悩んでいないことである。
もしも、薊や満作と張り合える「自分らしさ」を持つ女性が登場するなら、さらに次作は面白くなるに違いない。




#NetGalleyJP で拝読した、これから出る本。

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