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2019.04.23

シェーラ姫の冒険(下)

村山早紀 2019 童心社

新しい国を1つずつ回りながら、宝石を1つずつ集めていきます。
シェーラ姫の冒険の後半は、びっくりするような出来事が待っています。

同じ目的を持つ、3つの勢力。
シェーラ姫とファリードとハイル。
孤高の魔法使いサウード。
元盗賊ハッサンとアリの二人組。
さあ、彼らのうちの誰がどうやって、宝石を全部そろえて、魔法の杖をつかむのでしょう。
誰のどんな夢がかなうというのでしょうか。

明るくて元気で可愛くて、心も明るくて元気で可愛いシェーラ姫は、笑顔と怪力の持ち主で最強の魔神の守護を得ていますが、大人たちと戦うには向いていません。
それに、彼女は自分のためではなく、自分の故郷を救うために頑張っているのですから。
だから、戦う理由がないのです。ただただ、助けたいだけ。守りたいだけ。

人は大人になると、大人の基準で物事を理解し、判断し、行動しようとしてしまいます。
打算であるとか、計算であるとか、現実的なものは、そういう大人の使う論理です。
そんな大人たちになってしまっていたサウードもハッサンも、ある意味、シェーラ姫に調子を狂わされてしまったのでしょう。
自分のことしか考えないあまりに竜になってしまった魔法使いと遭遇した時、そして、シェーラ姫が一番の危機に陥った時、サウードもハッサンもハシーブも、かっこいい大人たちに大変身するのです。
シェーラ姫が道すがらに出会ってきた色んな国々の大人たちも、危機が自分たちを脅かすからだけではなく、自分たちの代わりに戦っているのがシェーラ姫だからこそ、最大限の協力を差し出したのだと思います。

ああ、こんな大人でありたいな。
私はそう願っています。
できることはささやかであるけど、子どもを守ろうとする大人でありたいな。
その願いを、そのまま口にしてくれる大人たちがかっこよくて、大人になってから読んでいる私は胸がきゅうっとなったのです。
とりわけ、私は、ハッサンの大ファンになりました。
子どもの時に読んでいたら、きっと違っただろうけど。

この物語には、魔神たちが出てきます。
とても大きな力を持った不思議な存在です。
彼らは、まるで犬や猫のように、ひたむきに人間を愛してくれます。
あまりに一途だから、ちょっと切なくなるぐらい。
そして、先に逝ってしまった存在も、ずっと自分の一部として力を与え続けてくれることを教えてくれるのです。
とても、この作家さんらしいなぁ、なんて思ったりもしました。

子どもである人も、かつて子どもであった人たちも、この物語はけして誰も見捨てません。
寂しい人、つらい人、苦しい人、悲しい人、傷ついた人の心にも、シェーラ姫の笑顔が届きますように。

ああ。なんだ。
それって、サウードじゃないか。

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