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2017.08.16

いじめのある世界に生きる君たちへ:いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉

中井久夫 2016 中央公論新社

いじめには「立場の入れ替え」がない。
いじめの進行過程は、「孤立化」「無力化」「透明化」の三段階がある。

わかりやすい説明は精神科医の中井久夫さん、絵はいわさきちひろさん。
絵本のような外見で、心理や教育の専門家でなくとも読みやすく、わかりやすい一冊となっている。
小学校高学年でも読めるようにと配慮されているとのこと。

解説というと、上から目線のようだが、著者自身のいじめの体験をベースにしたフラットな目線、語り掛けるような言葉遣いは、そっと寄り添うようだ。
自分の心のなかに何が起きているのか、体験を整理することに役立つと思う。
また、誰にも言えずにきたこと、誰にもわかってもらえずにきたことを、ちゃんとわかってもらえると感じられるのではないかと思う。
いじめ被害者が自殺を選ぶ理由のみならず、加害者の過剰に残酷になるメカニズムもわかる。

裏返せば、いじめであり、権力掌握のためのHow Toになってしまうことを、著者は恐れながら書いている。
いじめる子どもが、そのいじめの仕方を大人から学んでいることも、鋭い指摘だ。
大人にとっても、家庭内や会社、地域、国家で同様の現象に遭遇している可能性は高い。
だから、二重の意味で、大人には読んでおいてほしい。
予防としても、対処としても、対応しならければならないのは大人のほうである。

なかなかこちらのブログを更新する余裕がないのだが、素晴らしくよい本だったので慌てて書いた。
夏休みも終盤に入り、そろそろ、二学期が近づいてくると感じ始めるころではないか。
宿題なんかできていなくてもいい。友達がいなくてもいい。ちゃんとしなくちゃと、自分を追い詰める子が少ないといいな。
どうしても学校に行きたくない子が、生きたくないに転じてしまうことを心配している。
生きていることから逃げ出してしまうぐらいなら、学校から逃げ出してしまっていいんだよ。
今は見えない気持ちでいっぱいかもしれないけれど、生き延びる道はいくらでもあるからね。

すべての子どもと、かつて子どもだった人が、安心で安全で過ごせるように、今日も祈りたい。

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