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2017.05.13

はるかな空の東

村山早紀 2017 ポプラ文庫

今よりも幼かった頃、ここではないどこか、自分ではない自分に憧れを持ったことがある。
本当はどこか違う場所に、居場所があるのではないか。
自分でも知らない何か特別なものを、自分は持っているのではないか。
そんな憧れを持ち、空想の翼を広げることを、この物語は間違いなく助けてくれる。
豊かな想像は、子どもの心を自由で柔軟で、活き活きとした精神に育ててくれるのだと思う。

子どもがほんの少し大人になり、大人は子どもを取り戻す。
それがファンタジーの精髄だと思う。
村山さんの言葉は、想像の世界を歩き始めた子どもの手を優しく取り、安心感を与えながら案内してくれる。ナルの旅につきそう水晶姫のように。
あるいは、この旅路を歩んだことのあるかつての子どもに、旅の面白さ、命の尊さ、仲間の素晴らしさ、世界の美しさを思い出させてくれるだろう。
問答無用で放り込まれた世界で、運命にもてあそばれるのか、運命を自分で選び取るのか。
教えられ、助けられ、慰められ、励まされ、鍛えられ、いつしか、道行は自分の旅になる。

たくさんの人に愛されてきた作品であると聞いている。
今回、文庫化されたことで、私も読むことができた。
光と闇の対決であり、剣と魔法の物語であり、幻獣と精霊のいる世界で、歌が最強なのがいい。
敵を殺す剣や魔法ではなく、人のために祈る歌が鍵になるのが、とてもいい。
文章では音楽は再現できないが、読み手の耳に、胸に、きっと歌が響き渡る。
はるかな世界、その空の東に夜明けを迎えるような、美しくときめく物語。

本を閉じてからも、主人公達の旅は続き、読み手はその旅に思いを馳せてきただろう。
新たに書き足されたという最終章であるが、そこだけでも、本数冊分になりませんか?とびっくりした。
これはきっと単行本を既読だった人たちには、衝撃ではなかろうか。
そして、私は、いつでも、本を開けば、この世界を旅ができるのは、なんて素敵な魔法だろうと思った。

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