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香桑の近況

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2016年9月

2016.09.30

紅霞後宮物語 第零幕 一、伝説のはじまり

雪村花菜 2016 富士見L文庫

小玉が皇后になる前のお話が読めるようになったことが嬉しい。
これは皇后になる前に、彼女はどうして軍人になったのかのお話だ。

本編の方で略歴は折りに触れて語られていたが、こうして一つの物語になると小玉がますますと活き活きしてくる。
平和な時代ではないから、小玉が選んだ職業が軍人であるから、殺伐とした部分もあるにはあるが、小玉に振り回されながらも彼女を可愛がる大人たちの様子が微笑ましい。

こちらのシリーズでは、皇后になるまでが描かれるとして、何冊ぐらいになるのかな。
いずれにせよ、どのように文林と出会うのか、少しは文林もいいことはあったのか、その辺りも含めて続きを待ちたい。

元気もテンポもいい会話には何度も笑わせられるが、まとまりもよく、非常に読みやすく楽しくて、不遜ではあるが、作者の方が腕が上がったなぁと思った。

2016.09.23

超高速!参勤交代リターンズ

土橋章宏 2016 講談社文庫

『超高速!参勤交代』に続いて、こちらも読了。
第二弾というのは、なかなか難しいだろうなぁと思いつつ、こちらも一気読み。

なんといっても、敵役の松平信祝がますます気持ち悪くなって逆襲してくる。
多少、やりすぎなぐらいの悪ノリである。まさに暴走。
その逆襲に対して、どのように湯長谷藩の七人の侍+αが対決するのか。

小説ではあるが、映像化を前提にしている所為か、心理描写を言葉で読ませない。
表情や仕草、声音あるいは沈黙で、映像で現されたもので心理を読ませる作品だと思う。
そういう手法なので、文字だけを追っていると味気ないかもしれない。
読み手は、頭の中で映画を見るようにこの本を読むことになるのではないか。

そういう意味で、読みどころというより見所と書きたくなるのが、やっぱりの忍者対決。
正確に言えば忍者じゃないのだけれども、色々な特技を持った尾張柳生七本槍達と、別々の流派の得物を持った湯長谷藩の面々との対決は、映像に映えると思う。
更に言えば、多数の軍に少数で切り込んでいくような場面もある。私の頭の中のイメージ映像は、戦国BASARA2の関が原かなぁ。
自分だけの映画を撮れば、少々の無理も面白くするための仕掛けと思えるはず。

最後はハッピーエンドになると信じて読み進めたが、意外な展開が続く。
名台詞も多いし、きっと映画も面白いことだろう。

超高速!参勤交代

土橋章宏 2015 講談社文庫

厚さがある割には、読み手の速度も高速になる。
映画で見そびれたタイトルだったが、なるほど、これは面白い。
映像に映えるんだろうなぁ、と、スクリーンで見そびれたのが改めて残念。

時は、享保年間。8代将軍の吉宗の頃。
悪徳老中から、参勤交代をたった5日間でせよ、という、無茶ぶりをされた弱小藩。
磐城国の湯長谷藩は、大根の漬物と温泉が名物で、大名行列を整える財力はない。
しかも、時間もない。そもそも、人もいない。
奇想天外なこの設定ではあるが、時代劇らしい要素を感じる痛快な物語になっている。
他方で、児童虐待やアルコール依存、閉所恐怖など、非常に現代的な要素も含まれていて驚いた。

これ、主人公は、藩主の内藤政醇ではなく、道案内役の東国一の忍・段蔵ではなかろうか。
私の中の主人公は、段蔵でいいや。そう思おう。
錆びた声なんて表現がすごく素敵ではないか。その上、これがまたいい役なのだ。

2016.09.13

ゆかし妖し

堀川アサコ 2015 新潮文庫

どう考えても、人数があわない。
なぜか、ひとり多い。
あれは一体、誰だったのか。

室町時代の京都。
従来の公家システムと、新興勢力の幕府システムが並存していた時期。
なかなか珍しい時代設定である。
戦国の世がちょっと一息ついた時代の猥雑な喧騒の中、夜は真っ暗になっていたに違いない京の都で、ひとりの女が死んだところから物語は始まる。
戦に出て帰らない夫を探して、京までたどりついた女だった。

まるで、雨月・春雨物語に出てきそうな筋である。
検非違使に白拍子、遊女に琵琶法師、勧進聖に漏刻博士。その時代ならではの職業が次々出てくる。
戦の残した心の傷がいくつも語られる。時代ならではの風俗はあまり語られないが、戦の爪あとに目配りが効いているところに好感を持った。
戦さえなければ。
誰しも、思ったに違いない。

この時代、怪異は今の時代よりも近しいものであったのかもしれない。
ホラーと思って手に取ったが、途中からこれはミステリだと思い改めて読み勧めた。
そこに、幽霊はいるようでいない。恐ろしいのは生きている人である。
これはきっとあの人で、これが多分この人で、と考えていたら、だが、いつも誰か多い。
どう考えても、人数があわなくなる。
いないようで、幽霊はいた。いたけども、やっぱり生きている人のほうが怖かった。

なかなか切ない物語だった。

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