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2016.03.08

烏は主を選ばない

阿部智里 2015 文春文庫

前作を読んであまりにも面白く、すぐに買い足した。
出版社にも在庫がないという売れ行きのようだ。いいことだ。

構成の段階では、前作『烏に単は似合わない』とあわせて一冊だったそうで、物語は表裏一体をなしている。
前作が次の金烏の后がねである姫君たちの物語であった。
前作ではほとんどといって出番がなかった次の金烏である若宮が、その頃、なにをやっていたのか、彼の不可解の行動や態度を描くのが本作になる。

まさか、こんなことになっていたとは。
あの時はああだったこうだったというのが組み合わさっていくような構成も見事であるし、もともとそう組み立てられていただけあって、破綻することがない。
しかも、前作は姫君たちの華やかな足の引っ張りあいが招いた宮廷ミステリとなっていたが、本作は政治の駆け引きの渦中に巻き込まれた少年の成長物語となっている。
姫たちが人工的な人形のような仮面のような美しさを競い合っていたのに対して、少年は活き活きとした心の動きを見せてくれる。
その少年もただのぼんくら次男坊ではなかったという、ある種の正体がばれるところは両者共通であるが。
その点、烏太夫がここにもいたか、と後から気づく。

片や姫の物語。片や少年の物語。
片や城内の物語。片や城外の物語。
片や卑しい血筋を秘める物語。片や貴い血筋を隠す物語。
両者の対比が見事であり、これは是非、一対としてあわせて読むべきだと主張しておく。
本当に面白かった。ぐいぐい引き込まれて、あっという間に読みおおせた。それどころか、読み上げてからしばらく、どちらの本も振り返りたくなる。
ここまで隙がなく世界を築き上げた作者の筆巧者ぶりに脱帽である。
続きを読みたい!

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コメント

香桑さん、続きましてこちらにも、こんにちは(^^)。
「あの華やかな宮廷劇の裏で、現れない若宮は何をしていたのか」という、全巻への答えとなる作品でしたね。
いやはや、すごい。そういうことだったのか!!と思いながらも、若宮の説明不足はどうなのよ、と思いもありましたね。
そして、雪哉可愛いよ雪哉(笑)。
若宮に振り回されても、頑張り続ける雪哉の可愛さ、賢さ、たまりません♪
先程も書きましたが、残り2冊も素晴らしいですよ~!

こんにちは^^
お久しぶりです。お元気ですか?
こちらのシリーズ、私も大好きです。
本当に、20歳で書かれたとは思えない世界観ですよね。
花嫁候補たちの視点のデビュー作から、今作の若宮目線。
全てはこうつながっていたのかとただただ脱帽でした。
水無月・Rさんもおっしゃっていますが、あと2冊も素晴らしいです。
どんどん世界が広がっていきます。
香桑さんの感想を楽しみにしています^^

水無月・Rさん、お返事が遅くなりました。
単と主の二冊はセットで読まないと、若宮の印象が惨憺たるものになってしまいますねぇ。
ほんと、両方読んで、なるほど~と思いましたし、個人的には澄尾の株があがりました。
雪哉も、最後の最後が年相応の少年に戻ったようにも見えて、これでよかったのかもしれませんね。

この二人のやりとりは、瀬川貴次『ばけもの好む中将』シリーズとも重なり、楽しかったです。こういう主従のものって、多いですよね。

苗坊さん、ほんとにほんとにお久しぶりです。
ご無沙汰をしているのに、記事の更新を見つけてくださってありがとうございます。
私の方からもTBを送らせていただきましたが、CMは失礼させてくださいませ。

たとえば、あせび。
馬酔木は、彼女の出自を揶揄しているかのように見えますし、現に彼女は馬を酔わせていますし、現金烏代へのあてつけとも理解できるわけです。
そういう仕込みの上手さが絶品でした。
きっと、作者が思いを込めて丹念に作り上げた世界なのでしょう。

文庫化されるまで待てるかが問題です。

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» 『烏は主を選ばない』/阿部智里 ◎ [蒼のほとりで書に溺れ。]
前作『烏に単は似合わない』の続編かと思ったらそうではなくて、あの時全く桜花宮に来なかった若宮が何をしていたか、という物語でした。 前作は華麗な姫君たちの饗宴(妃争いというより、美しく賢く成長していく姿)が描かれていたんですが、本作『烏は主を選ばない』は打って変わって男の政治の世界!って感じです。 阿部智里さん、すごいですねぇ。同じ世界で同じ時期で、だけど全然状況が違う物語、素晴らしいです!... [続きを読む]

» 烏は主を選ばない 阿部智里 [苗坊の徒然日記]
烏は主を選ばない著者:阿部 智里文藝春秋(2013-07-10)販売元:Amazon.co.jp 八咫烏が支配する世界山内では次の統治者金烏となる日嗣の御子の座をめぐり、東西南北の四家の大貴族と后候補 ... [続きを読む]

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