2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

著者名索引

香桑の近況

  • 2017.1.4
    2016年 合計50冊
    2015年 合計32冊
    2014年 合計26冊
    2013年 合計32冊
    2012年 合計54冊
    2011年 合計63冊
    2010年 合計59冊
    2009年 合計71冊

    合計323冊
無料ブログはココログ

« 消された一家:北九州・連続監禁殺人事件 | トップページ | 9月の読書 »

2015.08.31

8月の読書

雪村花菜 2015 紅霞後宮物語 富士見L文庫
髙田 郁 2015 あい:永遠に在り 時代小説文庫
豊田正義 2009 消された一家:北九州・連続監禁殺人事件 新潮文庫
押川 壕 2015 「子供を殺してください」という親たち 新潮文庫
長谷川博一 2015 殺人者はいかに誕生したか:「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く 新潮文庫
村山早紀 2013 コンビニたそがれ堂:空の童話 ポプラ文庫ピュアフル
絲山秋子 2015 不愉快な本の続編 新潮文庫

珍しく読書が進んだ8月。
一つのテーマが気になると、まとめ読みがはかどる。
一冊ずつの感想をまとめようにも、今度はそちらがはかどらない。

殺人に関わる本を立て続けに読んでみて、もやもやとしていることがある。
発達障害とサイコパスの概念はどう線引きするのだろうか。

少なくとも、元少年Aはつたないなりに、自分自身の行動を振り返り、してはならなかったことだったと後悔を示しているように見受けた。
その元少年Aと北九州連続監禁殺人事件の主犯男性は、かなりタイプが違うと思う。
敢えて言えば、気の毒になる感じと、どうにも気の毒に思えない感じ。
逆に言えば、この気の毒に思ってしまった感じを頼りに、自分自身の気持ちをより自覚し、理解するために、読み進めてきた気がする。
同時に、書籍にならない情報もネットであさってみたが、なにがどう起きたかの情報を知ることはある程度可能であるが、その人がどういう人であったのかを知ることはかなり難しい。
書き手の解釈や価値観が反映される上に、本人と会ったこともないのに決め付けることは大外れする危険性をはらむ。

その点、長谷川博一「殺人者はいかに誕生したか」は良い本だった。
心理士の目線から、どうしてそうせざるをえなかったのか、どのような人であるのかを、描き出している。
本人とかわした手紙や、実際に対面した情報を元に、かなりフラットな目線で書いてあることから、一部の潔癖な人たちは筆者を非難するのだろう。
正直なところ、とても胸が痛くなった。どうしてこう、暴力の中に育った人が多いのだろう。気の毒に感じるたびに、メディアの情報だけで死刑もやむなしと安易に思考停止をした自分を恥ずかしくなった。
量刑はともかくとしても、殺人者にならざるをえなかったことに胸が痛み、その真実が語られないままに口を封じられたことに胸が痛み、捻じ曲げられていくことに胸が痛むと同時に、筆者の寄り添い方に頭が下がった。
また、親子の関係の問題として眺めていこうとすると、押川正義「『子供を殺してください』という親たち」の、子どもの問題として表出している親たちの問題が繋がってくる。

どちらを通じても、これは特別な問題ではない、きわめて身近なところに問題意識を置くほうがよいことがわかる。
大事なことは、次にどう活かすか、だ。
活かされもせずに、なかったことばかりにしていては、同じことが繰り返されるだけだ。
人がどれほど残酷になりうるのか、いつも視界の端っこに気に留めつつ、声なき声に耳を澄ませ続けていたい。

絲山秋子「不愉快な本の続編」は、これは小説であるけれども、同じようなにおいが漂う主人公にどきりとした。
現実に埋もれそうなカケラを洗い出して目の前に突き出すような、ざくりと痛いところを狙って無造作に突き刺すような文章のかっこよさは、相変わらず。
髙田郁「あい:永遠に在り」や村山早紀「コンビニたそがれ堂」は、人の心の美しいところを掬い取るような上品な小説でどちらも気持ちよく泣いた。

« 消された一家:北九州・連続監禁殺人事件 | トップページ | 9月の読書 »

まとめ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/183237/61406053

この記事へのトラックバック一覧です: 8月の読書:

« 消された一家:北九州・連続監禁殺人事件 | トップページ | 9月の読書 »

Here is something you can do.

  • ボランティア・寄付ならプラン・ジャパン
    子どもとともに途上国の地域開発を進める国際NGO

最近のトラックバック