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2014.06.17

日本が戦ってくれて感謝しています:アジアが賞賛する日本とあの戦争

井上和彦 2013 産経新聞出版

惜しいなぁ、というのが、最初の感想。
タイトルからして読者を選ぶ本ではあるのだが、読者を選んでしまうところで、著者のメッセージは伝えたい人に伝わらなくなるのではないか。
そして、著者が本来読者となってもらいたい層には、この著者の熱い思いはなかなか共感しづらいのではないか。
そういう意味で惜しい。

アジア圏を旅行して、日本人だからという理由で嫌な思いをしたことはあまりない。
多少の嫌な思いをしたことはあったが、とても親切な人に出会ったり、共感を示されたり、丁寧に接遇された思いのほうが強い。
私が旅行したことがあるアジアと言えば、韓国、香港(中国に返還前)、台湾、シンガポール、インドネシア、タイ、ベトナム、カンボジアと限られている。
ほとんどが観光を目的とした短期滞在に過ぎず、韓国を除いては1-2度の訪問に過ぎない。
だから、自分の体験を普遍化することはできないと承知した上でも、それでも、日本人であることで好意的に接してもらったり、日本人であることとは無関係に好意的に接してもらうことあったにしろ、日本人であることで嫌な思いをしたことは少ない。

その私自身の体験に、学生時代に出会った留学生など、アジアの人と出会った体験をプラスして考えた時、そんなに日本人って嫌われているんだっけ、あれれ?という疑問を持つようになった。
もちろん、私がメディアを通して知る嫌日、反日の声はメディアのバイアスがかかっているがゆえに、中韓のどれだけの人の声であるかはわかりにくい。
わかりにくいけれども、なんとなく背負わされてきた日本人であることの負い目のようなものが、ほかならぬ他国の人の声によってほぐされていった経験を持つ。
だからこそ、できれば、この諸外国の声、諸外国の事情、諸外国の歴史に残る日本と日本人の足跡は、もう少しニュートラルな筆致で紹介されていたらよかったのにと思う。

著者の悔しさやもどかしさといった熱い感情が熱い涙と共に描かれる時、共感するように押し迫られても、引いてしまう、冷めてしまう。
共感は強制されて働くものではないのだ。
著者の感激や興奮のすごさは伝わるが、読者たる私は、著者の感動に置いてけぼりをくらった。
そこは、戦後教育を普通に受けてきた世代として、自作自演乙?と反応したくなるような心が作用してしまうのだ。
もっと冷静に、現実的に、中立的に、理性的に記されていたとしたら、もう少し読者層が広がるのではないだろうか。
もう少し、読者が自由に心を揺さぶられるのではないか。考えが揺さぶられるのではないか。
右でも左でも斜め上でも、感じ方の自由は残した書き方をしてもらえるとありがたいのに。

非常に興味深い資料が豊富である。
なかなかに国内では紹介されることのないインタビューや取材である。
それだけに、もったいないというか、残念というか。
私には、ざっくり言って、暑苦しかったのです。
物事を両面から把握しなおすという意味で読む意義がある。

 *****

広島の人と、韓国の人と、アメリカの人と、カンボジアの人と、ベトナムの人と、台湾の人と。
いろんな人といろんな話をした。戦争の話もした。よく聞かせてもらった。
なんで、人は私に戦争の話をしたがるのかよくわからないけれども、聞かせていただくことが多いような気がする。

それは、ベトナムのフエにて。
シクロの運転手さんの言葉が忘れられない。
それはこんな言葉だった。

日本はベトナムにも使われなかったような大きな爆弾を使われた。
それを考えると、日本も戦争の犠牲者ではないか。ベトナムと一緒だね。
海外に興味を持つことが平和を作ることに繋がるのではないか。
緑を植える人は、平和を作る人だと、ベトナムでは言うんだよ。

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