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2013.03.05

婚外恋愛に似たもの

宮木あや子 2012 光文社

いつも一番上の女。
上から三番目の女。
普通で真ん中の女。
下から三番目の女。
いつも一番下の女。

『野良女』の姉妹作とのことだが、主人公達の年齢が5歳アップし、既婚になったことで、抱える悩みの種類が変わるものだ。
民主主義だろうと資本主義だろうと、そこには格差があり、階層がある。
共通して35歳である彼女達は、お互いが同じ階層ではないことを知っている。
同時に、自分と近しい生活圏の人たちの中において、自分が外れ値であることを知っている。
外れ値であるにもかかわらず、階層を越境していくこともままならないことも、知っている。
その抉り出し方は潔くて容赦ないが、嫌らしくならない。不意打ちのような笑いの効果も絶妙だ。

彼女達が愛するものは、決して手に入らない。
なぜなら、愛するひとは、2.5次元。つまり、アイドル。
5人組のアイドルのそれぞれのファンを描きながら、5人のまったく違った女性の生き方を描いているのだ。
5人は出会い、ゆるやかな友人関係をなしていく様に、あるあると何度頷いたことか。
私の長い付き合いとなった友人達の多くは、共通のバンドのファンであり、そのコンサートを通じて今も会い続けることができているのだ。

痛くてもなんでも、人はパンのみで生くるにあらず。
愛がなくては。
私は常々コンサートに通う理由をこう思う。
「愛している」と、そう言ってもらいに通っているのだ。
デトックスになるようなアイドルではないかもしれないが、2.5次元の愛すらなくなると、私は相当に苦しくなる、気がする。

現実を振り返ると、片岡のように、自分の偶像を「神様と崇め、日々拝みながら修道女のように生きるだけで充分」(p.187)じゃないかと思ってしまう今日この頃。
自分はどの階層に位置するかなぁ。
親近感を持つのは山田で、共感するのは桜井かなぁ。
どれだけ思い悩んだとしても、私は1番になることはない。
いろいろと考えたりもするけれど、愛しく感じた本だった。

コンサートはすべての境界線を壊す祝祭であるが、神と人との境界線は壊れない。
アイドルはアイドルのままに。

エンターテイメントが誰かの希望になるように。(p.160)

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コメント

こんばんは^^
「野良女」と姉妹作なんですか。「野良女」は香桑さんの記事を拝見して図書館に予約しました^^
年齢は少し違いますが気持ちは凄くよく分かりました。
ただ雅のようにはいきませんが^^;
心の恋人だけど雲の上の存在で、決して近づけない。
それでも自分の心の支えで、その恩返しとして少しでも側に行って応援したいとも思う。私にとってはそんな感じです。2.5次元ってうまいなと思います。

苗坊さん、こんにちは♪
ちょうどよく『野良女』を借りることができたので、続けて読みました。
前作での課題が、『婚外恋愛に似たもの』ではいろいろとクリアされていたり、主人公達の年齢差と、作者のキャリアアップの両面での変化も面白かったですよ。

どきどきわくわくきゅーんすること、とっても大切ですよね。
それが2次元でも、2.5次元でも、3次元でも、きゅんきゅんするときに出る脳内の物質は同じじゃないかと思います。
苗坊さんは苗坊さんの心の恋人さんに、いっぱい元気をもらって、いっぱい応援してくださいな♪
いいと思います(^^)

香桑さん、こんばんは(^^)。
5人の階層が全く違うのに、友情がはぐくまれるのが、とてもいいですよね。
同じものをとても好きだと思う気持ちって、こんなにつながれるんだなぁ…って嬉しくなりました。
私も山田に親近感を持つかな…。
ちなみに益子の『理想の息子』に共感してしまっています(笑)。
隅谷に関しては、イロイロ凄過ぎて、想像がつかないです(^_^;)。

水無月・Rさん、こんにちはー♪
他所のレビューをいろいろと拝見していると、どの人物に自分を重ね合わせるかで、ずいぶんと評価がわかれたようですね。
それは別にして、笑いもいろいろあって、楽しく読むことができました。
大人になってからの友情って、好きなものを通じてしか、つながれないような気もします。
本を通じて、読書を通じて、お会いしたことがないにしても、水無月・Rさんや苗坊さんに友情を感じていますよ。すずなちゃんは言わずもがな、ですが。
「理想の息子」を持つのもいいですね(^^)

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・・・わぁぁぁぁぁ!!!う、あううう、うくく・・・。 ちょっと宮木あや子さんたらッ、思いっきり笑っちゃったじゃないのよもう!んもう~、宮木さん、好きだわぁ。なんかもう、ずっと笑ってた気がしますわ~。 実を言うとね、『婚外恋愛に似たもの』というタイトルから、不穏系なのかなって勝手に思ってたんですよ。いい意味で、裏切られたわ~。でもアレか~、そういや確かに、表紙の美人は似合わぬ応援うちわを持ってたりするのよねぇ。... [続きを読む]

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