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2012.02.27

女神の誓い

マーセデス・ラッキー 1995 創元推理文庫

愛は自由でなければ生きられぬ。

この言葉は出会ったときから深く私に刻まれるものになった。
愛は自由でなければ。私も愛を自由にしなければならないだろう。
愛する人を縛るのではなく。空に返すように。自由に。
手離さなければ、死んでしまうものなら。

あまりにも好きすぎて感想を簡単には言えない。私がマーセデス・ラッキーに出会った一冊目。
あまりにも長い時間をかけて読んできたシリーズであるから、私の価値観に少なからず影響を与えている。
子どもの頃から様々なファンタジーを読んできたけれども、今でも私の中のNo.1はこのシリーズ。
ヴァルデマール年代記と呼ばれる一連の異世界ファンタジーの、この最初のタルマとケスリーを主人公にしたシリーズが一番好きだ。
女の子(立派に大人の女性も含む)が戦う物語の中でも、この二人がどれだけ自立しており、魅力的か。余計な媚びや萌えは必要ない。彼女たちは誇り高い。
しかも、決して、男性対女性という構図になるわけではなく、脇の男性たちも多くは成熟しており、魅力がある。

一族を殺され、略奪され、自身も輪姦されたことから、復讐のために女神の誓いを立てた剣士タルマ。
シン=エイ=インという一族は、ネイティブ・アメリカンを彷彿とさせる生活文化を持っている。
彼らは格言好きで、「愛は自由でなければ生きられぬ」というのも、その一つ。
「願い事をするときは気をつけなさい。もしかしたら叶うかもしれないから」というのも、大好きだ。

貴族の生まれであるが、兄により金持ちのところに売られ、性的虐待を受けた心の傷を持つ魔法使いケスリー。
魔法使いといっても、かなり実践的で実戦的。負けず嫌いで、タルマの言葉を借りれば「強情でがんこで愚かでむこうみずでどうかしている」(p.402)。
圧倒的に、私が自分を投影させるなら、ケスリーだったなぁ。

ケスリーとタルマが出会い、「もとめ」という名の特別な剣があり、ワールという不思議な獣を召喚して、パーティができあがる。
最初は警戒し合っていたケスリーとタルマであるが、徐々にお互いに気遣うあまりにお互いを失うような危機に遭遇する。
後には息もぴったりの魂の姉妹になる2人が、この本ではまだまだぎこちなくて初々しい。
それぞれが心の傷を克服していくことが、誰かを信じ、誰かを愛するためには、不可欠だ。
どちらか片方ではない。双方が、だ。

片方が片方を庇護しなければならないのではなく。
片方が片方に追従しなければならないのではなく。
お互いが対等に尊重しあい、信頼しあい、愛し合うには。
束縛でもなく、執着でもなく、未練でもなく、愛を愛のままにしておくために。
ただただ愛し続けたいから。愛を送り続けよう。
愛は自由でなければ生きていられないのだ。

本を読むと余計なことばかり考えてしまうから、新しい本に手が出ない。
しばらく、懐かしい本を読み返すにとどめておこうかな。

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