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2011.12.08

小説を書く猫

中山可穂 2011 祥伝社

中山さん初のエッセイ集。
この著者で、このタイトルで、この表紙。もちろん、買う。
中山さんは、御自身を「人間よりは猫に近い生き物だと思っている」(p.191)のだそうだ。
そんなところも好きだなぁ、と思う。

この人の恋愛小説が好きだ。
この人の描く恋愛も、旅も、どちらにも惹きつけられる。
もちろん見知らぬ人ではあるけれども、先輩のように、姉のように、励ましや温もりを感じさせる作家だ。
その人が「不安や虚無と闘い続けるのが人生なのだ」(p.117)と言い切れば、ああそうなのか、と、すとんと腑に落ちる。
とても美しい言葉を紡ぐ人なので、生き方や考え方を知らず、倣いたくなる。

「この世界には好きになってはいけないひとが多すぎる」というタイトルからぐっとくる。
エッセイ集の冒頭の二つは、『感情教育』を上梓した後の著者の失恋の大きさが痛い。
なくしたものを語る痛みが、だけど、その頃の著者に近い年齢の自分に、たまらなく心強かった。
恋に死にそうになっても殉じることなく、こうして生きながらえている。

人生の先輩は最近になって、遠距離引越しも孤独死・突然死も怖くない心構えで身辺整理をされたらしい。
「真の自由は、不安と孤独とひきかえでなければ得ることはできない」(p.170)とのこと。
10年後には、そんな風に思えるのだろうか。やはり日々修行だろうか。
その前に、この人の小説を、新作を、また読みたいな、と思って閉じた。

もしも私が猫であったなら。
愛しい人の傍らを温めることができただろう。
彼は猫がほしいわけではないと言ったけど、私に言葉がなければ。
愛は言葉でなくとも伝えられるが、愛を傷つけるのは言葉だから。
それでも、懲りずに、私は言葉を紡いでいる。涙の代わりに。

 ***

『感情教育』を読み直したいが、貸したまま返してもらっていない。絶版になっているとは。

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