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2011.11.20

天と地の守り人(3)

天と地の守り人〈第3部〉 (軽装版偕成社ポッシュ) 上橋菜穂子 2009 偕成社(軽装版)

ロタ、カンバルを経て、チャグムもバルサも、それぞれの役割と目的をもって新ヨゴ皇国に戻ってくる。
戦争と、戦場となった場所の描写の凄惨さは、児童文学でよくもここまで、と、舌を巻いた。
主人公と言えども、決して美化はしない。その作者の姿勢が素晴らしいと思う。

作者はあとがきで、これはあくまでもバルサの物語だという。
子どもの頃に読んでいたら、きっと何度も何度も擦り切れるまで読み返していたであろうし、最後の巻はつらくなったかもしれない。
これは今の年齢になって読んでふさわしかった本だと思う。バルサよりも私は年上であるが、彼女ほど成熟していないことが後ろめたいものの、だからこそ世界にはまりこめたような気がする。
バルサがタンダのつれあいだと名乗り出るシーンが、一番、ぐっときた。2人の繋がり方には惹かれる。あんな風に名乗れるようになれるといいな。

この結末にはとても満足だ。
懐かしい人物達が、あちこちにちりばめられており、守り人と旅人の道筋を思い起こさせる。
誰も彼もが平和で無事で安全で健康で幸福というわけにはいかなくとも、落ち着くべきところに落ち着いた安心感を得られる結末だった。
子どもは大人になり、大人は子どもを手離した後も絆を感じている。暖かで程よい物語だと思った。
チャグムは新しい歴史を編むだろう。バルサやタンダ、トロガイ、シュガにジン、あるいは他国に住む、その素顔を知る人々の祈りに守られながら。

離れていても--生涯会うことがなくとも、変わることのない絆が、自分たちのあいだにはある。おりにふれて、自分はチャグムのことを思い出すだろう。笑顔を、泣き顔を、おこった顔を。……そして、そのたびに、彼のすこやかな生を願うだろう。(pp.342-343)

児童書なら、なんとか読めた。
まずは自分の調子を整え、取り戻すこと。
小説を読むことは、現実逃避の旅であるが、翻って、必ず自分自身と向き合う旅になる。
私のやり方ではあるが、自分の問題の修正を図ることをまずがんばる。

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