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2011.11.13

わがんね新聞

真山 仁 2011 Story Power(小説新潮10月号別冊)

初読み作家さん。
『つなみ:被災地のこども80人の作文集』を思い出しながら読んだ。

阪神淡路大震災で被災経験のある教師が、東日本大震災後、教師が足りなくなった東北三県の要請を受けて、神戸から派遣された。
主人公小野寺は、子ども達が妙に行儀がよいと気になる。なにかを我慢しているようだと気になる。余震を怖がらないことが気になる。
その小野寺が子ども達に提案したのが、「わがんね新聞」の発行だ。

よい子であるほど、被災後の反応は遅く現れると言われる。
よい子であるがゆえに、大人たちの顔色を見て、一番大変な時期にはぐっとこらえる。
不眠、食欲不振、情緒的混乱、抑うつ、不安、さまざまな身体症状、退行……。
異常な事態に対する自然な反応は、ないといけない。反応がないから安心ではないのだ。反応がないと、逆に心配なのだ。
その機微をよく踏まえた小説で、短編ながらひきこまれた。とても印象に残る。

現実の現場でも、こんな教育的配慮が活かされているといいなぁ。
メディア批判も鋭く、すがすがしかった。主人公がレポーターに言った台詞を引用しておく。

被災地でも子ども達は、天使のように明るいとか。けなげな子ども達の頑張りに涙が出るとか。そうやって子どもに無理させている大人には反省してほしいですね。

ストーリーパワー(Story Power) 2011年 10月号 [雑誌] ストーリーパワー(Story Power) 2011年 10月号 [雑誌]

販売元:新潮社
発売日:2011/09/08
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