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2011.11.13

漂流するピアノ

近藤史恵 2011 Story Power(小説新潮10月号別冊)

東日本大震災のニュースで喚起された阪神淡路大震災の記憶。
知人にも両方を経験した人がいるが、いつの間にか語られなくなった被災の記憶は、だけど、忘れられたわけではない。
フィリップ・フォレストの『さりながら』を思い出す感触の小説だった。

記憶は不思議だ。
普段は忘れていても、なにかきっかけがあれば、まざまざと蘇ってくることがある。
映像だけではない。音も、匂いも、温度も、明度も、感触も、そのときの激しい情動もそのままで、蘇ってくることがある。
主人公のその日の記憶がなまなましい筆致で描かれる。16年前の、記憶のフラッシュバック。

テレビで観るのと、実際に体験することの違いを知りながら、主人公は東日本大震災のニュースから離れられない。
触れると傷つくのがわかっていて、そこに傷があるのがわかっていて、それでもそこに触れずにはいられない。
「起こったことの欠片だけでも集めて、自分の中に引き寄せなければいけない気がした」という一文に、その日の私の気持ちを代弁してもらった気がする。
距離と傍観の罪悪感とともに。

ストーリーパワー(Story Power) 2011年 10月号 [雑誌] ストーリーパワー(Story Power) 2011年 10月号 [雑誌]

販売元:新潮社
発売日:2011/09/08
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