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2011.11.21

ラジ&ピース

ラジ&ピース (講談社文庫) 絲山秋子 2011 講談社文庫

びっくりするぐらい、自分にとってタイムリーな本と出会うことがある。
待ち時間を埋めるための活字を探していたら、書き出しの文章に鷲掴みにされた。
主人公は自分が醜いというコンプレクスに雁字搦めになっている。
醜いのは容姿のことなのか。それとも、自分のことばかり考えてしまうことなのか。

仙台から群馬に。転居、転職した、FMの女性アナウンサー。
30代。東京出身。長女。妹との同胞葛藤あり。スタジオだけが居場所。
人付き合いは苦手。異性とつきあったことは一度だけ。もちろん独身。
群馬の方言を交えながら、頑なに人付き合いを拒む野枝の生活が始まる。
変わるつもりがなかったはずの野枝の生活が、変わって行く。
その変化は爽やかであり、静かに充実しているような実感がある。

今年は、前橋も太田も行ったけど、こんな言葉だっけ?と記憶をかき集めながら読んだ。
ラストを読んで、少し複雑な気分になった。
ふと視点が180度変わるような瞬間が訪れて、気付けば心の中が満たされていくような、過去のうずいていた傷跡が落ち着いてゆくような体験を味わうことはあるものだ。
たとえ自分にパートナーがいなくても、友人がおり、無数の人とのかすかな繋がりがあり、「ああ、これでいいんだ」と思える。
数ヶ月前の自分はこんなだったはず。

「うつくすま ふぐすま」と題された短編も併録されている。
こちらも同性のよい友人を得て、既に終わっている感じの異性との関係を清算するお話。
「何度もやっているけど、オトコと別れるのってどうしてこんなに気分がいいんだろう」(p.168)と言われれば賛成しないわけではないが、やっぱり今の自分が出したい答えではないんだよー。
逆説的に再確認できたから、本の呼び声にこたえてよかったと思う。

人間は些細なことで折り合わなくなる、そう野枝は信じて疑わなかったが、自分のコンプレックスがどんなに些細なことで、それがいかに美丈夫を傷つけているか、そういったことには頓着しなかった。(p.56)

あー…。これだよなぁ、って、思った。あいたたた。

読んでしばらく経ってから、読み直した。時間が経つと、響く言葉も変わってくる。「ちゃんとしていないけれど人間です」(p.140)という微笑ましい台詞を何度も読み直している。私が手を繋ぎ損ねた人を思い出しながら。

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