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2011.10.23

つなみ:被災地のこども80人の作文集

文藝春秋 8月臨時増刊号 2011

原稿用紙に書かれた不ぞろいな文字。
ひらがなも多く、文章もまだ整っていない。
幼い子どもであっても、地震と津波は目こぼししなかった。

名取市、仙台市、東松島市、石巻市、女川町、南三陸町、気仙沼市、陸前高田市、釜石市、大槌町。
2011年3月11日の地震と、続く津波がなければ、これらの地名にこれほどまで見覚え、聞き覚えができることがなかっただろう。
私が住んでいる土地は、東北地方からは離れている。

幼稚園児や保育園児から高校生までの80人に地震の記憶を作文に書いてもらい、集めたものだ。
成長した子どもの文章はさすがに読みやすいし、真に迫る。しかし、たどたどしい幼い文章もまた却って胸が痛む。
現地にいなかった自分は映像でしか知らない体験が、彼らには、音があり、温度があり、においがあった。
一夜を過ごした教室の寒さ、1日パン1/4枚でしのいだ空腹、家族が迎えにくるまでの心細さ。
テレビを消せば目の前から忘れられるものではなく、その瞬間を過ぎても続く、引き伸ばさた体験である。

子どもに関わる教育、福祉、医療の領域に携わり、かつ、その場を体験していない者にとって、将来に渡る貴重な資料になるであろう。
しかし、できれば、せめて、匿名や仮名にすることはできなかっただろうか。
被災はなんら恥じる体験ではないが、しかし、体験をさらけ出すことの痛みもまた心配になったのだ。
清水將之によれば、子どもたちがさまざまな不調を呈するのはこれからかもしれない。幼ければ幼いほど、自分の体験を理解し、整理するのは後になるであろう。よい子であれば、周囲の大人を気遣うあまりに、我慢もしていよう。
これを書いた子どもたちと、その背後にいるもっとたくさんの子どもたちが、必要な支援を受けられているように祈る。
彼らのこれから先が少しでも穏やかでいられるよう、私にできる支援と準備もしていきたい。

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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

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