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2011.10.25

復興の道なかばで:阪神淡路大震災一年の記録

復興の道なかばで――阪神淡路大震災一年の記録 中井久夫 2011 みすず書房

本書は『昨日の如く:災厄の年の記録』を再編集したものである。
再読に近いわけであるが、しかし、なかなか時間がかかってしまった。
散発的に発表された原稿の寄せ集めであるため、重複が多いこともあるだろうし、軽々しく読み流せない内容であることもあるだろう。

1995年2月、筆者は神戸を離れて東京に行く。阪神淡路大震災の後、一ヶ月弱。その二つの都市の様相の違いに愕然としつつ、筆者はもしも東京が被災した場合を想像する。
2011年3月11日の東京は、そこにいなかった私には、帰宅難民という言葉が思い出されてならない。
そのときの街の様子を、数人の友人達から教えてもらったが、ぞっとすることも多かった。

東京に住む友人達は地震に遭い、しばらく恐怖心や不眠に悩んだものであり、そのことを軽視するわけではない。それらはあれだけの地震に遭えば当然予想される反応だ。
こうして、この本を読み返してみると、阪神淡路の体験者と言えども、今度の震災は想像を超える事態だったことが感じられる。
現実は想像を超えるということに、改めて圧倒される思いがした。

同時に、被災の中心地と周辺部では、様相が異なることは、阪神淡路もであるが、東日本大震災でもいえたのではないか。
「被災の中心地には悲しみと嘆きとがあったが、周辺部にはつかみどろこのない不安と抑鬱があった」(p.92)とあるように、東日本大震災でも、当日は確かに混乱しているという点で一様に見えたが、死者の多かった県と、その他の関東地区では、その後の経過にずれがあったように思う。
最初の一週間、二週間において、中心地では生命の安全の確保が最優先されたが、周辺部では生命は一応安全ではあるからこそ混乱と不安と抑鬱が中心地に先立って問題となっていたように思われた。

今回、この本では救援者支援の必要性が強調されていることに気付いた。
阪神淡路大震災後、自殺が目立ったのは、老人と支援者だったという。
そういえば、私が支援者支援に心惹かれるようになったのも、この本からだったのかもしれない。
あとがきは、ロサンゼルス視察の記録ともに、東日本大震災後に書かれたり、手を加えられている。
これが阪神淡路大震災の一年の記録であるならば、東日本大震災の一年目はまだ終わっておらず、その意味でも想定外を補う想像力を助けてくれるであろう。

PTSDは、障害としてマイナスの意味だけを帯びるのではない。「ひとごとではない」という連帯の意識を呼び覚ます力にもなる。(p.86)

クルドにもこの意識がもたらされますように。

それにしても、九州地区からの支援はなぜか食事と結びつけられている。
地域として食い意地がはっているんだろうか。もしかして。と、ちょっと冷や汗。

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