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2011.09.16

災害がほんとうに襲った時:阪神淡路大震災50日間の記録

災害がほんとうに襲った時――阪神淡路大震災50日間の記録  中井久夫 2011 みすず書房

中越地震後に知り、探してみたが手に入らなかった。
その本に収められていた一文が、東日本大震災後に緊急出版された。
どちらの震災でも、そして、阪神淡路大震災でも、私は直接の被害者ではない。
私の住む地方にも比較的大きな地震が起きたことがあったが、今となっては東日本の余震程度であって、大地震というのはためらわれる。
したがって、私自身がなにか直接的に災害援助や復興に関わる可能性は極めて低い。
しかし、勉強は平時に積み重ねておくべきことであると考え、本書を手に取った。

清水將之『災害の心理』を読んでいても同様であるが、精神科医というのは記録魔であるのだと思う。
それは、記憶が変化するものだという前提に立っているからかもしれない。
記憶は失われるし、失われなくても、たやすく変化する。無自覚的に。
その時、その場での体験も、感情も、後から思い出すと実は変わっていることがありうる。
だから、なるべくフレッシュな状態で書かれた記録である点で、本書は非常に興味深く、読んでみたかったのだ。

同時に、この本では、2011年3月11日直後の著者の文章も併録されており、17年後の想起ともなっている。
阪神淡路の経験者が東日本の災害の大きさに目を見張る。そのことが、災害の大きさを読み手に改めて思い知らせる。福島の話ばかりが続いて、あの日のインパクトを忘れがちになっていたことに気付かされる。

被災者のそばにいること。生活の援助や煩雑な事務手続きの援助が喜ばれること。
救護者の救護が大切であること。食事抜きでがんばらないこと。40日以上経過すると、消耗状態で意欲減退すること。なにより、ロジスティックスが重要であること。
災害直後は自殺数が減少すること。阪神淡路では、初期は外傷、ついで胃潰瘍が出現し、暖房がない部屋の高齢者に呼吸器障害が目立ったという。心筋梗塞は最初に多く、あとは多発する周期がありつつ減少したとのこと。

こういった知見は今後も役立つこととして蓄積、普及されていくことが望ましい。
私はそう思う。確かに40日も経てば、疲れ果ててしまうのだ。

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