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2011.06.03

図書館危機:図書館戦争シリーズ3

図書館危機 図書館戦争シリーズ3 (角川文庫)  有川 浩 2011 角川文庫

この巻は好きなのだ。
なんと言っても玄田さんがかっこいい。
玄田さんのための、玄田さんのファンのための巻である。

愚痴をこぼしながら順応したほうが楽。(p.164)

そんな怠惰に流されないようにするのは、実はとてもエネルギーがいる。
自分の言葉は狩られていないか。
自分の意思は流されていないか。
自分の思考は踊らされていないか。
日本のファシズムは、伝統的に、カリスマが形成するのではなく、組織としてお互いに見張りあうようにして台頭してくるから厄介なのだ。

たとえば、東日本大震災。
たとえば、福島原発事故。
ある種の批判をしてはならないと、人道的に、倫理的に、うわっつらだけの平等主義が言葉を封じていないか?
批判をしていいと認知された対象には容赦なく、議論というよりも、最早、非難、中傷、侮蔑のような言葉を投げつけるくせに。
二元的に短絡化された言論しか許されない息苦しさを、感じはしないだろうか。
そこに表現の自由は。思想の自由は。言論の自由は。

残念だけど、この物語世界は、私が生きている世界と繋がっている。
実際にあるとちょっと嫌な夢物語、ではなくなってしまっている。
この危機感を新たに感じると同時に、稲嶺司令のストイックさを見習いたくなる。

死者に救いは求めない。それが妻であっても、何も言えなくなった妻に自分の言い分を重ねて正当化することはしない。(p.355)

主張はあくまで自分の意見で。
発言はあくまで自分の責任で。
それはあくまで自分の自由という権利の行使であるのだから。

恒例、私的な名台詞top3をあげておきたい。
その1:「まぁあれだ、お前が還暦に一人で赤いちゃんちゃんこを着なきゃいかんようなことになったらそのときは俺が引き受けてやる」(p.120)
その2:「……ぽん」(p.330)
その3:「あたし、王子様からは卒業します!」(p.57)

今回も選ぶのは難しかったが、やっぱり、その1はこの台詞に。
私からも連絡を絶ってしまったが、こんな風に付き合えたらと願った人を思い出す懐かしさがポイントが高い。
もっとも、今は言ってもらえるなら、違う人に言わせたい気がする。笑
「これしきのことで騒ぐなバカどもが」もよかったんだよなぁ。迷うなぁ。ほんと。
番外は『ドッグ・ラン』より「すみません。頭がわるい犬なんです。わんわん」(p.376)ぐらいで。
児玉清氏との対談も、この巻では格別な感慨があった。実写する時に稲峰司令のイメージに合うなぁと思っていたら、司令と一緒に去ってしまった。御冥福を祈りたい。

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小説(日本)」カテゴリの記事

コメント

今回も「名台詞top3」には激しく同意!何度読んでも、この台詞たちには心を激しく乱されます(笑)アヤシイヒトになってしまいます^^;
言葉について、意思について、思考について、本当に考えさせられ、自分を省みずにはいられない作品です。

この巻の発売と時を同じくして児玉清さんがお亡くなりになったということにも、何かを感じずにはいられませんでした。

すずなちゃん、ども。
この本が、今、この時に、というのに、不思議な縁を感じました。いろんな意味で。
でもって、革命の冒頭があれだから、革命の発売日までに福島はどうなっているのやら。
改めて、がっつり読み直すことができてよかったです。

現実は予断を許さないけれど、本をまったり読んでは、がはは笑いできる日々が続きますように。

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シリーズ3作目。もちろん、何度目になるか分からないいくらいの再読。初読み時の感想はこちら。 [続きを読む]

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