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2011.01.16

のぼうの城(上・下)

のぼうの城 上 (小学館文庫) のぼうの城 下 (小学館文庫)  和田 竜 2010 小学館文庫

武州忍城。
別名、浮き城。
荒川と利根川の間に挟まれた湖上に浮かぶ島々。
その島々に城郭や武家屋敷群が築かれ、橋で繋れている。
城主は成田一族。
その城攻めを豊臣秀吉から命じられたのは石田三成。

読み始めてから慌てて調べたが、これは実際にあったお城であり、この小説は史実をもとにしている。
下巻末には主な参考文献も付されているが、著者がフィールドワークも行って様子が文中からうかがえる。
資料の記述を交えて著者自身の所感が挿入され、これがまったくの架空ではないことを裏付ける。
そのあたり、時代(劇)小説とは違う、歴史小説らしい重みがある。

時代や状況、人物の把握に序章から1章が費やされる。
とはいえ、解説も簡潔にとどめられており、物語の流れをいっさい損なわない。むしろ、無駄がないと思われた。
余計なことを一切省いて、物語の筋そのものを読ませる。そんな小説だった。

本当に、この人がのぼう様? 眉根をんーっと寄せて、首をかしげてしまう。
のぼう様こと成田長親はよくわからない人なので横に置いておくとして、彼をとりまく丹波、和泉、靭負、おまけで甲斐姫らは魅力的だ。
百姓たちの農作業の風景もいい。その百姓たちも活き活きとしていて、田舎の小さな所領の平和な景色がとてもいい。
その平和を、所領を、人々を、どうやって守ればいいのか。

1章まで読み終えれば、あとは一気読みするしかない。それぐらいの勢いに飲み込まれる。
歴史の筋書きが変えられることはないが、手に汗を握るような興奮と緊張がある。
寄せ手の石田三成、大谷吉継、長束正家らは後の関ヶ原まで生き残る、ネームバリューもそれなりにある顔ぶれだ。
それに対して、成田勢といえば誰に死亡フラグが立っているのかすらわからず、冷や冷やしながら祈るように読んだ。
ネタばれはしたくない。とにかく読んでほしい。そういう本だ。
解説を読むより、本当に読んだほうが面白いって。

この本は、職場近くの本屋さんにずっと店頭に置かれていた。
時代小説が割と充実しているがとても小さな本屋さんで、単行本もすぐに入れ替わるのに、ずっとずっと置かれていた。
余程お勧めなのだろうかと思っていたら、この本は直木賞候補になり、本屋大賞2位になる。気付いたら文庫になっていて、映画化までされるという。
読むなら映画になる前だろうと思い、ついに買っちゃった。
評判にたがわず、面白かった。久しぶりの一気読み。この人のは他のも読みたくなった。

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コメント

最初は「ハズレ?」と思うくらいノレなかったんだけど、だんだんと面白くなっていって、最後は一気読みでした。こちらのレビューを読んで、その理由が分かったよ(笑)

すずなちゃん、ども。
理由、ですか?笑
歴史小説好きには物足りないかもしれませんが、架空の空想小説として楽しんだ感じがします。
実を言いますと、なんで主人公が野村万斎?という視点で読みました。(^^;;

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» のぼうの城(和田竜) [Bookworm]
第139回直木賞候補作。 読み始めはどうも乗れなくって「・・・ハズレ?」という不安が頭を過ぎったりもしました。が、なんとか読んでいくと、だんだんと面白くなっていって最後は「うん、満足!」と思える読書になりました。... [続きを読む]

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