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2010.12.24

コンビニたそがれ堂:星に願いを

コンビニたそがれ堂 星に願いを (ポプラ文庫ピュアフル)  村山早紀 2010 ポプラ文庫ピュアフル

号泣の一気読み。
久しぶりに小説を読もうと思い、買っておいたこの本に手を置いた。
ここ最近、有川作品やラッキー作品を読み返すことはしていたが、新しく読むことはなく、レビューも滞っていた。
読みたい本は買い貯めてはいるのだが、新しく読むのが億劫に感じられていたのだが、やはり小説は面白い。

「星に願いを」「喫茶店コスモス」は短編、「本物の変身ベルト」は前の二つをあわせたぐらいの長さの中編だ。

「星に願いを」は小学生の初恋を描く。一生懸命な子どもは、神様だって応援したくなるから、お買い物は珍しく二つ。
1月のしぶんぎ流星群の夜の奇跡で、冬のこの時期を待って手にとってよかったと思った。
並行して物語られる大人のほうの恋の物語も素敵だったし、別れたペットとの再会にはどうしようもなく涙を誘われた。

「喫茶店コスモス」は年配の男性が主人公になる。戦争を経験した男性の昭和から平成にかけての人生であり、風早という街の歴史である。
50年にかけての物語の中で繰り返される出会いと別れ。積み重ねられ、いつか忘れていたことが、蘇る。
大事なことを思い出す、コーヒーの香り。忘れてはいけないと思わせる、魔法の香り。
たそがれ堂のシリーズの中でも、珠玉の美しい物語だった。こんな風に世界を眺めていたいと思う、自分の感性にもフィットした。

「本物の変身ベルト」は、ひとり暮らしの若い男性の生活をつづる。心が折れそうになるとき、寂しくて空しくて、でも積極的に人と関わるのは苦手で。
世界には不思議なことはないと知ってしまった大人になっても、それでもファンタジーが心を慰め、励ますことがある。
嘘のようなことのひとつやふたつ、広い世界のどこかにあってもいいではないか。

最初から泣いた。泣いた。泣いたーっ。
一旦、スイッチが入ると、何気ない一文でさえ涙を誘う。
世界はとても美しい。
人の営みは儚くて、そのくせ、破壊的なこともあるけれども。
今より少しだけよりよく。そんな祈りを積み重ねてきた。
別れても、別れても、ひとはまた次のひとと出会うから。
別れた人もきっと遠くで祈っている。思いはいつか届く。
世界はとてもとても美しい。
その美しさを歌う物語に、ささくれた気持ちもすっきりとないでいくような気がした。

前作までとのかすかな違和感としては、登場人物たちが一様に、コンビニの店長の正体をうすうす知っていたことだろうか。
都市伝説が十分に浸透してきたらしい。
ふわふわしっぽをふんわりと揺らしながら、今日もおでんとお稲荷さんをしこんでいるといいな。

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