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2010.06.28

なりひらの恋:在原業平ものがたり

なりひらの恋  三田誠広 2010 PHP研究所

なりひらって……。
何度、溜め息をついたことだろう。
こんなにへにゃへにゃ男子じゃ、だめーっ。
ぐだぐだのうだうだのヘタレっぷりに、がうがう吼えたくなった。
しっかり男子がたまにヘタレるのは好物だけど、四六時中ヘタレているのはだめなのよ……。むきーっ。

「業平ではなく、なりひら」。(p.273)
作者の意図したところは、伊勢物語のエピソードと歴史的事実をすりあわせながら、「伊勢物語に『むかし男ありけり』と語られた伝説のプレイボーイの物語を、軽く、楽しく展開」(p.273)することだ。
その通りに、予想以上にさっくりと読み進むことができた。肩肘の張らない時代ものの恋愛もの。感情移入しながら読めるぐらいに、読みやすい小説だ。
歴史的な事実や人名を把握していなくとも、十分に説明がなされており、気にせずに小説として楽しむことができる。もっと把握しておきたい人には、巻末に系図も用意されている。
この時代の貴族で色男となると、当然のように和歌が出てくるが、それもわかりやすい現代語に翻案されて詠われており、すんなりとやり取りを味わうことができるだろう。
伊勢物語には手が出にくいという人にも、これならすらすらと読めることは間違いない。

ただ、あまりにもあんまりなのだ。なりひらが。
なんで、こんなにヘタレなのー。あうあう。
こういう男の子っているよね、現代にも。
顔がいいだけで、血筋もいいけれども没落決定の家系に過ぎず、身分はなく、お金はそこそこあるかもしれないけれども、意欲ははなはだ低い。
これでどうしてもてたんだ?と思っていたら、噂先行だと本人が嘆く。誘われたら断れないだけで、でも、続ける気も無いから浮名だけが残る。
厭世的というか投げやりというか後ろ向きで皮肉屋さん。女心をちっともわかっとらーんっっっ。
そのなりひらの、一番の恋の顛末は、残念ながらハッピーエンドとはならない。
なりひらの人生もまた、ハッピーだったと言えるのだろうか。言えないよね。

我が身の不遇も軽やかにいなしてしまうほどの、低意欲。
いつまで経っても、成熟や老成という言葉とは無縁の、どこか無邪気で憎めない造詣。
その不器用さが、愛しく思ってしまったのは不本意だが。
だが、無常感をそこはかとなく感じてならなかった。
気の毒な人である。

驚いたことがひとつ。
古文で習った東下りの段。若さゆえの恋の過ちの尻拭いかと思いきや、意外にも意外、わりと中年になってからのことだったのね。
最後まで、恋に生きた男性の物語であり、そのトホホっぷりを御堪能あれ。

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コメント

こんにちわ、よく読書されるんだ!

原稿書きに息詰り、気晴らしにネットで業平を検索して見てたら
香桑.........カンボジア・・・・・あれあれ、と言うことです

わたくし、原稿書いたり企画編集したり、企画広告したりのマルチクリエーターしてます。
偶然見てしまいました。
ごめんなさいね~本当に偶然なんですよ!
怒らないでね~

わかりました~!!(笑)
怒りませんよー。でも、お恥ずかしいです(^^;;
コメント、ありがとうございます♪

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