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2010.04.30

葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)  歌野晶午 2007 文春文庫

うわ~っ。や~ら~れ~た~~~っ。
普段、ミステリを読まないせいか、まんまとしてやられてしまった感があった。
いくつかの話が同時進行するわけであるが、事件の謎解きよりも、設定にしてやられた感がある。

何にどう裏切られたかを書くと面白くないので、感想を書きづらいなぁ。
その裏切りを痛快に感じるか、不快に感じるかは、読者の好み次第であろう。
私は気持ちよくだまされた!とは思ったけれども、ちょっぴり複雑な気分にもなった。
最後の三章で、登場人物たちの印象が、本当にがらりと変ってしまったからだ。

素敵なタイトルだ。
葉桜の季節という表現から、花の盛りを過ぎた年齢を連想する。
自分自身の心境と相まって、このタイトルと表紙には、何度となく目をとめた。
本屋さんで気になっていたこの本を借りたのは、去年の梅雨も近づく頃だった。
今年の桜の季節に慌てて読み始めたのであるが、第一章の第一節を読んだ後、ひどくうなされた。
他の本を先に読む必要性に駆られて中断していたおかげで、読み終えたのはまさに葉桜の季節。

現在と過去など、複数の筋が同時に進行しているが、読みやすい文章でテンポもよく、さくさくと読み進めることができる。
最初は無関係に見えていたものが、きちんと寄りあわされており、無駄な伏線は一つもない。
無駄はないんであるが、そのあたりに作者の筆力も感じるし、賞を取っているのもわかるんだけど。
わかるんだけど、なんか悔しい。
最後まで苦手だった主人公がこれなら納得だと思えたものの、それまで積み上げたイメージががらがらと崩れたことが、やっぱり悔しい。
私に偏見があると指摘されているみたいで悔しいのかもしれない。

桜の木の紅葉はひときわ早い気がする。
思いがけず鮮やかな赤や黄色になるので、紅葉を眺めるのも好きだ。
景色の中のどこに桜の木があるが、一年を通して眺めていれば憶える。
だから、私が桜を見上げるのは二回。春と秋。夏は毛虫に注意、だ。
……と、つまらないところで反論しても仕方がないのであるが、すっきりしないんだもん。
登場人物たちに比べれば、私なんかまだまだひよっこ。
紅葉には至らず、せいぜい葉桜か。次は、桜の実の熟する時か。
せいぜい負けずにがんばるしかないなぁ。誰かを想う、そのことで。

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小説(日本)」カテゴリの記事

コメント

香桑さん、こんばんは(^^)。
うわ~!騙されたッ!って思いました(笑)。
私的には、歌野さんの作品は、読者の誤認識を利用した鮮やかな物語運びが、かなり好みです。
最後の最後にひっくり返され、「私ってアタマ固いなぁ」とぼやきつつも、爽快な騙され感というか(笑)。
『ジェシカが駆け抜けた7年間について』はお読みになりました?結構初期の作品ですが、これもかなり騙され感がすごいです。私的には思いっきり騙されて、逆に良かったですけど・・・お好みに合うかどうかは難しいかしらん。

こんばんわ。TBさせていただきました。
私はこの作品は友人にオススメされて読んだのですが、本当に面白かったです。
そして、やられました^^;
それをいえないのがもどかしいですが、本当に良かった。
違和感を感じるところもあったのですが、それは全てそのカラクリにつながっているんですよね。
凄い作家さんだなぁと思います。
私は小説の映像化はあまり好きではないのですが、この作品は絶対に無理だなぁと思い、それは嬉しく思います。

>水無月・Rさん、こんばんは♪
歌野さん初読みでした。もう本当にやられたーっ!!だまされたーーっ!!!という感じです。
ほかの小説でもだまされるんですね……(^^;;
物語じゃなくて、こっちがひっくり返る気分。作者の技が鮮やかでした。
チャンスがあったら、ほかの著書も探してみますね。何度でもだまされる自信、あります。笑

>苗坊さん、どもども。
何にどうだまされたか、読んだ人に味わってもらいたいので、感想がとっても書きづらいですよね。
うん。映像化は絶対に無理。小説じゃなければ、せいぜいラジオドラマ。それでも難しいかな。
私以外の人も、みんな騙されやがれーーっ。笑

ふふふふっふふ~~~騙されましたね~~!
読了後に喚いた人が自分だけじゃないってのが、とーっても嬉しい(笑)
でも、ネタばれしないように感想を書くのは、すごく難しい作品だよね^^;

>すずなちゃん
騙されましたよ!! がうっ。
もーねー、持って行き場がない、もやもや感がかつてないです。
そこっ!?とツッコミたい気持ちがわきあがります。
誰もがだまされるって、すごいですよねぇ。

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