キケン
あー、面白かった。
素直にそんな気持ちで本を閉じた。
ほんと、楽しい。わくわくどきどきする感じがいっぱい。
早く最後まで読みたいけれど、最後になると読み終えるのがもったいないぐらい。
最後の仕掛けは、これをやっちゃうって、小説としてどうよ? ずるくない??と思いながらも、うるっとなった。
語り手は誰なのか、わかってはいたけれども、こういう明かし方ってずるいと思う。
そもそも、表紙からずるいっちゃずるいだけれども。
有川さんの言葉づかいは女の子としては時々乱暴なのが気になるが、主人公が男の子ならまったく違和感がなくなる。
舞台はほとんど男子校状態の成南電気工科大学。理系の大学らしく、女子学生は希少品種。
その大学の機械制御研究部、略してキケンも、男子学生だけの集団だ。
男の子だけの集団が本気でばかをするとどうなるか!?
末代までの伝説に残るであろう傑物の部長と副部長。
その二人に日々鍛えられ、キケンな道まっしぐらな新入生たち。
私が楽しかったのは、やっぱり学園祭のエピソードだ。
こういうのって燃えるよね。楽しいよね。負けていられないよね。うんうん。
だけど、こういうばかって、見るよりやるほうが、やっぱり楽しいんだよ。
学生だから許されること、学生のクセにやってのけちゃうこと。誰もが怖いもの知らずで。
自分がしたことに友人がしたこと、見聞きしたことをあわせれば、大学時代が伝説の宝庫である人は少なくないはず。
私にも、とっくに過ぎてしまったけれども、元気がなくなるたびに今でも思い出す日々がある。
その時代を過ぎても、でも消えていない。宝物のような日々はいつまでも輝く。
遊ぶ時こそ、本気にならなくちゃ。ね。
« 千年の祈り | トップページ | マタタビ潔子の猫魂 »
「小説(日本)」カテゴリの記事
- 不思議カフェ NEKOMIMI(2023.05.01)
- あなたは、誰かの大切な人(2022.07.19)
- 風の港(2022.07.15)
- 桜風堂夢ものがたり(2022.03.12)
- 相棒(2021.08.03)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: キケン:
» 『キケン』/有川浩 ◎ [蒼のほとりで書に溺れ。]
ベタ甘ラブロマじゃないのにッ!
読み始めてすぐに、白旗を盛ッ大に!振り回したくなりました。
いやぁもう、ホント有川浩さんだったら、どんな作品でもいいのか、お前は~!と突っ込まれそうだけど。
タイトル通り『キケン』な【機械制御研究部】に、もうメロメロ{%ハート4webry%}でした(笑)。
え~と、いつものことですが、ここから先は水無月・Rの無法地帯&大長文&ネタバレあり、が始まりますんで、お付き合い頂ける心の広~い方だけ、どうぞ~(笑)。... [続きを読む]
» 【キケン】 有川浩 著 [じゅずじの旦那]
必要もないのに毎日のように、うっかりすると休みの日まで部室に入り浸っていたあの頃・・・ まずは来訪記念にどうかひとつ! 人気blogランキング【あらすじ】成南電気工科大学機械制御研究部略称「機研」。彼らの巻き起こす、およそ人間の所行とは思えない数々の事件から、周りからは畏怖と慄きをもって、キケン=危険、と呼び恐れられていた。これは、その伝説的黄金時代を描いた物語・・・青春、どっ、、、ストライク、な本。この本は、物語の感想を書くものではないな。本を読みながら、自分の思い出の世界に浸るものだと思う。... [続きを読む]
« 千年の祈り | トップページ | マタタビ潔子の猫魂 »
こんにちは^^TBさせていただきました。
青春小説ですよね~。本当に素敵でした。
確かに女の子だと多少乱暴に感じますが、男の子だったら口調に違和感は感じなくなりますね。
命懸けの遊びもまた楽しそうでしたし。
学校祭の闘いは見ていて楽しかったです。
最後のはずるいですよね~。
私、地下鉄の中で泣いちゃいましたもん^^;
私も、あー面白かった!
って思いながら本を閉じました。
投稿: 苗坊 | 2010.03.29 12:47
苗坊さん、こんにちは。
あれは、ずるいですよね~~~。
大事な場面を文章で表さない小説なんて、むちゃくちゃずるいですよーっ。
すっかりしてやられました。
こちらの遊び心を試されるような小説ですね。笑
投稿: 香桑@室長 | 2010.03.29 14:07
「面白かったーっ!」その一言に尽きる作品でした。楽しかったね~。
で、あの黒板はね、やっぱりずるいよね~!泣くよ、そりゃ!・・・と文句言いたいのは負け惜しみ?(笑)
投稿: すずな | 2010.04.04 08:14
負け惜しみますとも!!
わはわは笑いながら読んでいたのに、あそこで泣かされるとは思わないじゃないですか。
もう。
ラーメンが食べたくなります。
投稿: 香桑@室長 | 2010.04.04 12:10
香桑さん、こんばんは(^^)。
とっても楽しくて、そして最後に泣かされました。
あのテンポでガンガン進んでいって、ちょっとほろっとさせられて。
ホントに有川さんの物語というのは、元気を貰えます。
色々感じることはたくさんあったんですが、何より楽しかった!
投稿: 水無月・R | 2010.07.12 21:08
水無月・Rさん、こんばんは♪
楽しかったですねー。学生時代に戻った気分で、気分だけは若作りして読みました!
スピーディで、意表を突かれて、大笑いして、元気になれる本。
でも、ほろりとさせられるんですよね。
有川さんの魅力がたっぷりでした。
投稿: 香桑@室長 | 2010.07.14 01:44
面白かったですねぇ!
熱い学生時代を思い出しながら読んでました。
時代は変わっても、学生は変わらず!?
いつでも自由奔放さをもってほしいものです(^^ゞ
投稿: じゅずじ | 2010.08.22 08:55
じゅずじさん、こんにちは。
いつまでもキラキラしている学生時代の思い出が眩しく、かつ、楽しかったです。
こうしてTBやコメントをいただくたびに読み直したくなって、やっぱり大笑いしたり、ほろりとしてしまうんです。
投稿: 香桑@室長 | 2010.08.22 13:54