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2010.02.15

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)  万城目学 2010 ちくまプリマー文庫

一瞬、翻訳書?と疑った、タイトル、装丁、雰囲気。
『我輩は猫である』のオマージュかと思いながらページを繰るうちに、万城目マジックにくるくると捕われる。
読み始めたら止まらない。一気読みのマジック健在だ。

不思議なことは何一つない、ことはない。
アカトラの猫、マドレーヌ夫人は外国語が喋れる猫だ。
猫にとっての外国語。それは、犬と言葉が通じるということだ。
共に住むと人間の言葉は少しは分かるようになる猫たちも、犬の言葉はまったくわからないものになのに、マドレーヌ夫人は夫とは会話ができる。
マドレーヌ夫人の夫とは、かのこちゃんの家の飼い犬である玄三郎だ。

かのこちゃんは小学一年生の女の子。その両親と住んでいる。
かのこちゃんのお父さんは鹿と話したことがあるんだって。
ということは、お母さんは剣道が強いのかな?
素敵な家族の姿も微笑ましく、地に足が着いている感じがして快い。

猫も、犬も、人も、活き活きと描写されており、まるで目に見えるようだ。
どの存在を見ても、どの関係を眺めても、愛情がたっぷりと詰まっている。
これは、宮崎さんにアニメ化してほしいなぁ。心底、そう思った。
頭の中ではすっかり映像として情景が動き出しており、目に見えないことが不思議なぐらい。
少なくとも、猫も、犬も、よく知っている人が書いているとしか思えない。
小さい子どものとっぴなぐらいの思考や行動だって、うんうんと頷いてしまうほど。
確かな表現に支えられて、マドレーヌ夫人の物語にすんなりと読者は引き込まれてしまうのだ。

社会的になにか大きな事件があったわけではない。
だけど、日々の出会いと別れほど、ひとにとって大きな事件はない。
何より、第4章の最後の数ページの美しさには、涙が抑え切れなかった。
「だって、君は僕の妻じゃないか」(p.227)
これほどの殺し文句はないと思って泣けた。こんなときに、こんなことを。
この言葉を得られた人が羨ましくなるぐらい、美しい場面だった。
泣けて泣けてたまらなかった。

万城目さんはすごいなぁ。
子どもが大人になるような、大人が子どもになるような、きらきらの時間を過ごすことができた。

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コメント

こんばんわ^^
玄三郎の殺し文句!! 泣かされましたねぇ。
そして二匹のあの写真のことを思うと、今でもウルウルしてしまいます。

かのこちゃんとすずちゃんの“刎頸”もよかったですね~。
子供の頃の突飛な発想に、こそばゆい懐かしさを覚えたり、
本能のように友達を見つけて、仲良くなっていった記憶とか、
小さな世界に詰まった無限のトキメキが蘇りそうでした。
うんうん、宮崎アニメ映えしますねっ♪

susuさん、こんにちは♪
ほのぼのと陽だまりで温まるような感じでしたね。
あの玄三郎の殺し文句は、ここ最近でも一番の名台詞でした。
読んでいただけて、楽しんでいただけて、嬉しいです。

大人になると忘れることもいっぱいあるし、
思い出しては自分で「ばかだなぁ」と思うこともあるけれど、
子どもの世界が懐かしくて、まぶしかったです。

“刎頸”という言葉、初めて知りました。
お父さんは国語の先生だから知っていたのでしょう。おそらく。

読みながら自然とにっこにこと笑顔になれる楽しい作品でした。
でも、最後はホロリとさせられたりもして。
大満足の1冊でしたね~。
宮崎さんでアニメ化ですか!「トトロ」な感じでお願いしたいですね~♪

すずなちゃん、ども。遠征お疲れ様でした。
かのこちゃんの名付けの親さんには会いましたか?(^^

この本、好きなんですよー。思い返してもしみじみと、よかったなぁと思います。
かのこちゃんのヴィジュアルイメージは、メイちゃんでした。

こんばんわ。
本当に素敵な話でした!
久しぶりにいい話を読んだなぁ~としみじみ感じました。
かのこちゃんもマドレーヌ夫人もとっても素敵でした。
玄三郎の台詞は私もうるっと来ました。
ほんとうに、ふたりは夫婦だったんだなと感じた瞬間でした。
宮崎アニメですか!いいですね!
かのこちゃんはメイちゃんみたいな子がいいです~♪

苗坊さん、こんばんは☆
しみじみとするような、素敵なお話でした。
私の中では間違いなく名作で、忘れられません。
思い出すだけで顔がほころんでしまいます。

ちょうど今、万城目さんのエッセイを読んでいますが、私は小説のほうが好きかな。
かのこちゃんはやっぱりメイちゃんですね♪

香桑さん、こんばんは(^^)。
ほのぼのしてましたねぇ。
出会いがあって、素晴らしい日々があり、別れが来る。
別れは切ないけれど、とてもほっこりしました。
子供や動物の世界も上手ですねぇ、万城目さん。
まだ数作しか読めてないのですが、他の作品も、楽しみです~♪

水無月・Rさん、こんにちは。すっかりご無沙汰して申し訳ありません。
コメント&トラバありがとうございます。

この本、文庫化されて嬉しく思っています。私のお気に入りの一つです。
マキメさんの描く世界は、不思議なんだけれどもとても健全な気がするのです。
そういえば、これもほかの作品と繋がっていましたね。
マキメワールド、再読したくなりました♪

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