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2009.12.18

夏への扉 新訳版

夏への扉[新訳版]  ロバート・A・ハインライン
小尾美佐(訳) 2009 早川書房

こんな寒い日は、夏への扉を探したくなる。
猫のピートに倣って。

ハインラインの名作『夏への扉』は、ハヤカワ文庫から出版されて30年になる。
表紙からして、猫好きにはたまらない表紙。この後頭部に惹かれて購入して数年。
それから何度も何度も読み返した。何度目になっても最後まで一気に読み上げたい。
古典的なSFの傑作ではあるが、ただ単に幸せな気分になれる物語として大好きだ。
とはいえ、訳にいささか古さを感じないわけではない。その古さも味と言えば味なのだが……。

そう思っていたところ、新訳版が出版されたことを知った。
店頭で見つけて、ためらった末に購入。ためらいの理由は、あの猫の後頭部の表紙じゃないから。
猫らしく行儀よくお座りしている、新しい表紙の猫さんに「Nooow!」(今すぐ!)と促されて手に取った。
文庫よりもやや大きくなって、文字も見やすく、読みやすさは各段にあがっている。
もちろん、言葉遣いが現代的になり、そういう意味での読みやすさも増している。

物語の舞台は、1970年と2000年のアメリカだ。
主人公ダンは、二つの時代を行ったり来たりしながら、1度は失ったものを取り戻していく。
大好きな人を、大事なものを、あきらめちゃいけないよー、と励ますような、ファンタジーの醍醐味がいっぱい。

2009年という物語世界よりも未来になった今、この本を読むのは少し変な感じだ。
世界はよりよいものになっている。主人公が信じるとおりに、世界は果たして歩んでいるだろうか。
主人公よりも年上になってしまった所為か、主人公に素直に寄り添えなくなっている自分に気付いてしまった。
大事なものを大事にするためには、人は狡猾なまでに慎重にならないといけないことがあることを知っている自分は、同時に2009年がそれほど優しい世界ではないことも知っているのだ。私は最早、それほど優しくないし無邪気でもない。そして、未来を憂えている。
でも、だからこそ、あえて、こんな風に祈れたら素敵だろう。それを実現させようという気持ちを取り戻すために。

 200707011742000  ***

未来は過去よりよいものだ。悲観論者やロマンティストや、反主知主義者がいるにせよ、この世界は徐々によりよきものへと成長している、なぜなら、環境に心を砕く人間の精神というものが、この世界をよりよきものにしているからだ。両の手で……道具で……常識と科学と工業技術で。(p.345)

うちの猫さんも、いつも夏への扉を探しています。いつか行っちゃいそうで、その日が遠くないであろうことが切ないなぁ。

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コメント

こんばんわ♪
新訳版、読まれたのですねー。
わたしは去年、遅れ馳せながら旧訳版で読みました。
古典と思って読んじゃったせいか、訳の古さも全然気にならず^^;
でも名作を違った訳で読めるというのは、また感慨深いというか、ちょっとドキドキしながらも楽しみが膨らむものですよね。

香桑さんもあの後頭部ファンでしたか^^
あれは記憶に残る名表紙ではなかったでしょうか。
でもこの新カバーも、アマゾンで拡大して見たら可愛いじゃないですか~!
これからもずっと読み継がれて、新しいピートがますます愛されていくといいですねぇ。

susuさん、どもです☆
私も旧訳版の言葉遣いも平気なのですが、新しいファンが増えるためには、新訳版が出たのはいいことだと思います。
読み比べるのよいかもしれませんが、作品の持ち味はまったく変わっていないと思います。

こっちのカバーも、明るい色合いで、可愛い雰囲気。表紙の猫さんと目があったら買っちゃいました。笑
とはいえ、表紙のデザインでランキングを作るなら、私の中のNo.1は、旧訳版の後頭部です♪

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