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2009.08.05

ZOO2

ZOO〈2〉 (集英社文庫)  乙一 2006 集英社文庫

やっと読んだ。
読み始めると早いんだけど、忙しいのと前半がアレだったので、なかなか手をつけられなかった。

「血液を探せ!」
譫妄でくるのか? それとも、誰か幽霊か?? とか、勘ぐっていたら、普通に犯罪モノ?だった。
シチュエーションは普通じゃないけど、会話がかみ合わないイライラする感じ、もどかしい感じが、とてもよく描けている。
面白いけど、読んでいてイライラ。主人公にとっては一種のハッピーエンドになるのかなぁ。

「冷たい森の白い家」
これまた、神話的な一編。抽象度が高く、オイディプスのように皮肉で理不尽。
後悔もなければ、救いもない。そこには、何も残らないのだ。
想像するとえげつないんだけれども、絵画のように美しく光景を思い浮かばさせる。
ドラクロワのように。でも、色彩はシャガールのように。
ああ、浮世絵にも、人が寄り集まって人の顔をなしているものがあったなぁ。作者を忘れた……。

「Closet」
家具編第二段。
これは予想内に普通の範囲で物事が進んだ気がする。
内容は気楽ではないのだけれど、読んでいて気楽だった。
乙一さんのことなので、フユミにもっとひねりがあるんじゃないかと、どきどきしたけれど。
犯罪モノ転じて、変質モノ?

「神の言葉」
あー。太宰の『人間失格』のオマージュのような短編だった。
『人間失格』の主人公にはなかったが、この短編の主人公には「神の言葉」が与えられていた。
それは、言葉であるが、文章に表す力ではない。声であり、声にこもる特別な力である。
乙一さんって、指へのこだわりが強い人だと思う。手よりも、指。この短編でも、指へのこだわりが見られる。
人物画を描く時に指を描かない子どもがいるが、そういう子ども達に対するのと同じ心配が湧き上がった。

「落ちる飛行機の中で」
文庫本のための書き下ろし。そこを逆手に取ってくるあたり……。
囚人のジレンマのような会話が緊張感なく、緊張しなければならないような場面で繰り広げられる。そういうノリが好き。
でも、そこで面白おかしく終わらせないんだよ、この作家は。
死にたいからといって殺人した人をすみやかに死刑にした。その後の無力感を想起する。
人生は理不尽なものではあるけれど、世界には美しいものがあることを忘れてはいけない気がする。

「むかし夕日の公園で」
うんうん。出さなくて正解。
こういうのを子どもの時に読んだら、しばらく砂場が怖くなっちゃうかも。

総じて、感想を集約するならば、気持ち悪い~~~。
最後のほうは食傷してしまったというのもあるし、「陽だまりの詩」のような息抜きポイントがなくて、1冊目だけで十分だったかなぁ。

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