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2009.08.31

フリーター、家を買う。

フリーター、家を買う。  有川 浩 2009 幻冬舎

じれったい。
じれったさでは、もしかして一番か!?
そこが第一声になるのは、WEB版に追加されたその後の部分があるからだ。
WEB版では物足りなかったところが、本書ではちゃんと補強されている。
でも、どす黒い頬って……。

感想は、WEB版で書いたとおりだ
フリーターになってしまった主人公。
その主人公が家を建て直す物語。二重の意味で。
家族を、立て直す物語になっている。
人生を、立て直す物語でもある。
表紙が意味深で、そしてよく内容を表している。

こんなに長かったっけ?
WEB版を読んだ時には、いろいろと不満も感じた。
それは、症状と診断だったり、対応だったり、母親の描写についてだ。
だから、ちょっと読む前はためらったけれども、買ってしまえばいつもの有川マジック。
その日のうちに読んでしまった。不満だったところも前ほど気にならなかった。
そう設定しておかないとこの展開になれないのもわかる、から。

働くってこと、私が好きなのは、今の職場、今の上司に出会えたから。
不況と言われ続ける昨今だけど、出会いをあきらめないでほしい。
この本には、そんな応援が込められているような気がする。
働くってことをあきらめないでほしい。家族と和解するってことも。
甘み成分は控えめだけど、がんばるヘタレに萌えな人にお勧め。と思った。

 ***

あー。でも、やっぱり気になったので、一つだけ書き加えておこうと思う。
検索数の伸び方を見ると、こういうのを書くのもちょっと勇気がいるが、自傷について。
リストカット、アームカットを代表として自傷(セルフハーム)は、臨床場面では特別なものではなくなってきている。
それは自殺未遂の切迫感を伴うものから、興味本位で人まねでしてみたものまで多様な相を見せるが、あえて言うならば、「必要なければわざわざそんなことはしない」ところで共通しているのではないだろうか。

新しい傷跡は日焼けさけないほうがいいと聞くが、すっかり傷跡になってしまったものは隠さなくてもいいのに、と私は思う。
主人公が母親のことを「半袖が着れなくなった」と思うシーンを読み、最初はそういう反応であってもいいから、いつか受け容れてあげてね?と思ったのだ。
乗り越えてしまったものであれば、それは困難に打ち克った記念碑でしかないではないか。
傷つきの表現ではなく、傷つきをやり過ごして今を生きている戦勝碑になるではないか。
その人が通り過ぎてきた歴史として、傷跡が見られても平気なものになればいいな。
自分の一部としてそこに確かにありはするが、もはや特別には意識しないものになっていけばいいな、と思った。

本人にとっても、家族にとっても。

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小説(日本)」カテゴリの記事

コメント

私も「どす黒い頬」に思わず突っ込みをいれました(笑)あの二人は・・・と気になってたので、おまけがあって良かったー♪

同じようにweb版では多少の不満を感じていたものの、こうやって紙媒体で読むとそこまで気にならなかったんだよねぇ。webのように、ちょっとずつチマチマ読むことなく一気に読めるからかなぁ・・・。

すずなちゃん、どもども。
お互いの仕事がうっすら絡む、奇遇な物語になりました。
やっぱり紙がいいです。本がいいですよね♪
Happy Endだから、それでもう十分です。

WEB版を読んだ後に、自分が別所で書いた不満を読み直しました。
いやー。とがっていたな、と。(^^;;;;

こんにちは。TBさせていただきました。
内容が現代にとても合っていて、凄くリアルに感じました。
誠治は最初はどうしようもない人でしたけど、最後はとてもカッコイイ、一人の会社員になっていました。
それが、いまのわたしにとってはとても眩しくて、素敵でした。
働く事に対してやりがいを感じたり、やる気を出させてくれる信頼できる人がいるって、大事ですよね。
うつ病に対しても、就職活動に対しても、勉強になった気がします。
書き下ろしの最後の章(?)で、恋愛部分が引き締まった気がします。

苗坊さん、こんばんは。
残念なことに、niftyには苗坊さんからのTBが届きにくいらしく、今回も受け取り損ねていますが、お気持ちだけでも嬉しいです。

本文にはああ書きましたが、その上司とも私は2年に1度ぐらいは喧嘩をして、「仕事を辞めるーっ」と大騒ぎをします。今年の夏もやらかしました。
でも、上司ともめるときには部下や顧客にひきとめられたり、どこかが不満足でもほかのどこかで満足を得られるのです。
それのどれもに対して魅力を感じられない時には、次の出会いに賭けるっていうのもありですよね。
誠治だって、最初からカッコいい、一人前の会社員にはなれなかったのですから。
苗坊さんが、ほかの誰かにとって眩しいぐらいの、素敵な笑顔を取り戻せる日を祈っています。

香桑さん、こんばんは(^^)。
誠治の成長が、清々しかったです。
ここ10年ほど外に出て働いていない専業主婦としては、誠治の就職活動がとっても参考になりました(笑)。
あの二人はど~なったの?!な部分もちゃんと満足できて、大変楽しく読みました~♪

水無月・Rさん、こんばんは☆
主人公の成長、著しい物語でしたね。
最初はどうなる事かと思いましたが、ちゃんと「家」まで辿り着くんですもん。

就職活動指南としても、求人募集指南としても、上手いです。
でも、やっぱり、じれったい愛のところに大満足でした♪

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