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2009.05.03

彩雲国物語(18):黄梁の夢

彩雲国物語  黄粱の夢 (角川ビーンズ文庫)  雪乃紗衣 2009 角川ビーンズ文庫

18冊目の彩雲国は、あとがきによると本編が最終章に入る前に出したかったという短編集。
短編と言うには、しっかりと長い物語が3つ収められているので、今まで一番の厚さじゃないかな。
秀麗と劉輝はほとんど出てこない。共通して、先代王戩華パパが健在な頃の話である。

一つ目の主人公は、第二公子清苑。その母と戩華王、おまけに、末の公子であるちびちゃい劉輝が出てくる。
意外なところで、戩華王の死因判明。そこはかとないパパっぷりと天然っぷり、冷酷というよりも無頓着なだけに見えるあたり、ファンが増えそうな御仁でした。
間違いなく、劉輝のパパだなぁ。というか、劉輝はある一点においてパパを超えたんだなぁ。もうちょっとがんばりゃいいのに……ぶつぶつ。

二つ目の主人公は、燕青。太陽が黒点を持つように、その明るい人柄に隠れて見えない闇の部分を描く。
燕青と南老子、そして、小旋風との出会い。梁山泊風味なので、水滸伝を読んでいる人はにやりとするポイントが多いと思われ。
美味しいのは茶鴛洵と宋隼凱じゃないだろうか。私、この世代のおっちゃん達、好きだわ。豪快豪胆豪傑揃いで、ノリがよすぎ。超超超すごすぎる、ありえないほど最強軍の活躍、見てみたかったな~。

そして、三つ目は、邵可と薔薇姫の出会いの物語。ハー○クイン風ということだが、甘いというより、若い邵可が可愛くて楽しい。糸目が開いているとかっこいいんですが、いやー、若いなぁ。あは。
何事にも対価がいる。小さな力には小さな対価、大きな力には大きな対価。運命を捻じ曲げるには、それだけの対価が。

誰か/何かのために死ぬことは、わかりやすい。誰か/何かのために生きるより、はるかにわかりやすい。
目標は、何か問題の不在ではなく、他の状態の存在でもって設定されるべきである。
たとえば、不安にならなくなることではなく、代わりに、どんな風に過ごすことができたらよいかを考える。不安でなければ、友人と出かけるのか、ぐっすりと眠れるのか、家族との会話が増えるのか、自分ひとりで趣味の時間を持てるのか、それとも?
しかるに、「生きる」ということは、「死なない」という死の不在によって規定される目標であるために、達成しているかどうか判断が難しい。生きてはいることと、その目的のために生きていることとの峻別を誰ができるだろうか。また、生きているその生の質の程度まで配慮するならば、判断はますます難しくなる。
生きて、何をすれば、その人のため、そのことのために、なるのだろうか。
目標設定をするならば、そこまでしないと。生きて共に過ごすこと、生きて共に笑うこと、生きて共に食べること、生きて共に寝ること、生きて共に歌うこと、生きて共に耕すこと、生きて共に働くこと、生きて共に愛し合うこと……。

生きる意味がわからないと嘆いていた三人が、ちゃんと生きていられるようになる過程を描くところで共通していたように思う。
それにしても、一番の罪つくりは羽羽様だったとは。予想外のことが多すぎます。

 ***

  彩雲国物語(17):黒蝶は檻にとらわれる
  彩雲国物語(16):黎明に琥珀はきらめく
  彩雲国物語(15):隣の百合は白
  彩雲国物語(14):白虹は天をめざす
  彩雲国物語(13):青嵐にゆれる月草
  彩雲国物語(1-12)

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