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2008.12.26

発達障害の子どもたち

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)  杉山登志郎 2007 講談社現代新書

発達障害という言葉が普及したのが、いくつかの事件の報道が契機となったのは、残念なことだ。
子どもたちの才能や素質の多様性を表現する概念の一つだ。多様性を分類して形骸化するためではなく、多様性を無視して画一化するためでもなく、多様なモノを多様に取り扱うための鍵になるものだ。
ただし、鑑別の難しさや対応可能な範囲の問題など、知識と経験が必要であるからこそ、私は下手に手出しすることは難しい気がしている。気軽に論述することも難しい。

知的な障害は、子どもの身体の表面に表れる障害ではないが、障害の程度と領域による分類がある。
精神遅滞と境界知能、自閉症、アスペルガー、ADHD、学習障害、更に虐待から二次的に生じる発達障害まで、本書が紹介する状態像は多様である。
それぞれに事例を加えてあるため、診断基準を読むよりも、具体的にイメージしやすいものとなっている。文章も平易で、読みやすくわかりやすい。
更に、生まれつきか環境かという誤解のもととなっている原因論を踏まえて、早期療育のコツや特別支援教育、薬物療法までを含む対応の概観を示す。

子どもに関わる人はすべて読んでほしい。言い換えれば、すべての大人に、という意味である。
子育ての最中の人もいれば、教育領域、福祉領域、医療領域、行政領域、司法領域……ありとあらゆる人が子どもと直接的、間接的に関わっているはずである。
特に、「国語力の不足が内省の不足をもたらし、多動に拍車をかける」(p.167)という指摘は、教育行政に関わる人たちに意識しておいてもらいたい。
しかも、発達障害であった子どもたちも、やがて大人として生活を送る。すなわち、誰にとっても他人事ではなく、隣人を理解するために知っておいてもらいたいことが満載だ。

子どもは育つ力を持っている。大人よりもはるかに大きな変化する力を持っている。
得手不得手があったとしても、そこを補いながら自分の力をよりよく発揮できるように育つことができる。
十分な能力を持ち、十全な教育を受けて成長してきた大人でさえ、年を取るうちに心身の能力は衰えて、他者の力を借りずに生活することが難しくなることも珍しくはない。
どちらの意味でも、人間の能力は不変ではないのだ。だから、障害の診断は未来を否定するものではないことを知っていて欲しい。
適切で十分なサポートがあれば、自立して適応的な生活を送る可能性が増す。そんな著者の祈りを感じた。

発達障害とその周辺は、避けて通ってきた。
しかし、いずれは勉強しないといけないと思い、買っておいた本。
買ったまましばらく積んでいたが、いよいよ差し迫った必要性から、一夜漬けのように読んだ。
うーむむむ。やっぱり、避けては通れないなぁ。重要なトピックだものね。もうちょっと取り組まねば。

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