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2008.11.25

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙  海堂 尊 2006 宝島社

22ページ。
章題を見た私は、しばらく固まった。
「よいどれ迦陵頻伽」。
これって、もしかして、「よいどれかぐや姫」のもじりじゃないでしょうか。
とすると、次の章の「ドア・トゥ・ヘブン」もStairway to Heavenを連想する。

この本を借りたので、前作を買ってみた。
その前作『チーム・バチスタの栄光』が面白かったので、即座に本作に手をつけた。
これは、事件のあらましは大体推測できるような書き方をしてあった。
むしろ、どう立証するかが、眼目になっていた。
むしろ、最後に残された謎は、「白銀の迦陵頻伽」の白銀の由来ってなんだ!?

将軍こと速水やデジタル・ハウンドドッグこと加納など、魅力的な人物が続々と出てくる。
がんがんトンネルの魔人こと島津もいい味だ。それに千里眼の猫田看護師長。
こうして並べていくと、二つ名を冠した登場人物が多いことに気づく。
ほかにも、白髭の皇帝や屋上の貴公子などなど。
作者がプロットを書くときには、きっと二つ名から思い浮かぶんじゃないだろうか。
それとも、作者自身が、人と会ったときに動物や植物や何か他の名詞で「名づけ」をする習慣があるのか。

セイレーンと来ずに迦陵頻伽としたところが、渋いなあ。
ナイチンゲールはダブル・ミーニング。小夜啼鳥のアンデルセンの童話を思い出した。
皇帝が涙するほどの歌声を持つナイチンゲールは、夜鳴きウグイスと訳されることもあるが、日本のウグイスとは別種。
童話そのものは中国を舞台としているので、ヨーロッパ種のナイチンゲールではなく、アジア産のコウライウグイスという説もあり。
調べてみたら、ストラヴィンスキーがオペラにしているらしい。へえぇ。

大人と同じ病状でも、それが子どもとなると、悲惨さがことさら増すように感じることがある。
特に、小児病棟では小児のがんを看取らなくてはならない。同年代の子どもたちが普通はできること、していることを制限される苦しみを見なくてはならない。その制限されているものを味わうことなく死んでいく者たちを。
「歌」の部分を差っぴいて、そういった小児科の景色や小児科医療にかかわる問題提起の部分では、前作と同じ程度の満足感はあった気がする。

『マタイ受難曲』のCDはうちにもあるが、聞く努力をしたことがない。
とにかく長い。そのうえ、コンサートで爆睡した記憶が色褪せない。
そういう思い出のある曲なので、真面目に何枚も聞いた田口医師に尊敬を感じた一冊だった。
それにしても、この音楽を説得力を持って再構成するのは難しいだろう。
映画・ドラマ化の難しそうな物語だとも思った。
次へのネタふりもいっぱいあった気がするので、このまま3冊目に入ります。

昨日、せっかくバーに行ったのだから、Kiss in the darkを頼んでみればよかった。

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コメント

香桑さん、こんばんは(^^)。
連日連夜、しつこくお邪魔しております(笑)。
海堂作品の登場人物の二つ名は、イメージが湧きやすくていいですよね!カタカナも漢字に直されて(デジタル・ハウンドドッグ→電子猟犬など)余計、意味合いが深い感じがして。
これから先、どんどん東城大医学部付属病院は事件に巻き込まれていきます。
面白いですよ~!

水無月・Rさん、こんばんは☆
なかなかブログめぐりをできずにいるので、こうしてご連絡をいただけることが嬉しく、ありがたく思っています♪
昨日の夜は、三作目に突入だ~!と息巻いていたのですが、さきほどまで中山可穂さんに寄り道していました。(^^;;
『ジェネラル・ルージュの凱旋』は、なんとなくタイトルの音の響きが気に入っているので、楽しみです! よ~し!!

あ~そそうそう!二つ名が多いねぇ。
水無月・Rさんも書かれている通り、イメージしやすくっていい!(笑)
私は子供のお話に弱いので、ちょっと読むのが辛い部分もあった作品でした;;;

あんまりコードネームが多いと憶えるのが大変じゃね?と思ったり、殿前軍なんて日常用語ちゃうやろ!と思ったり。
でも、楽しいからいいのです♪笑

子どもが子どもでただいることは、なんて難しいことなのでしょうね。

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いや~、面白かったなぁ~。論理怪獣(ロジカルモンスター)にして火喰い鳥・白鳥に、天敵現る!その名も電子猟犬(デジタル・ハウンドドッグ)・加納。相変わらず、愚痴外来の田口医師の飄々たる病院政治わたりも、冴えてます。水無月・Rの個人的に好きな廊下トンビ・兵藤も健在です。その他、タヌキ院長・高階や千里眼看護士長・猫田や伝説の歌姫(現在アル中)や将軍・速水、魔人・島津など、キャラたちまくりで、読んでて飽きません。 いいですねぇ、海堂尊。... [続きを読む]

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