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2008.11.23

チーム・バチスタの栄光(上・下)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599) (宝島社文庫 599) チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600) (宝島社文庫 (600))  海堂 尊 2007 宝島社文庫

なるほど。ベストセラーになるだけある。
読み始めて数ページで引き込まれる感じがした。

文章そのものが読みやすく、著者が文章を書きなれていることを感じる。
平易な言葉で簡潔によく整理された文章。余分な贅肉がないのに、的確にイメージが伝わるような文章だ。
作家としては新人としても、日常の業務で多くの文章を書きなれているに違いない。
それにしても、本職の医師で、デビューしたのが2年前で、発行されているのがすでにこの冊数っていうのもすごい。

映画もドラマも観ていないので、好き勝手に頭の中でキャストを考えながら読んだ。
田口にはシンパシーを感じる。私も、目の前の人を動物にたとえるクセを楽しんでいるので、どきりとした。
白鳥は、名前だけを見ていると綺麗なのに……。下巻の解説を読むまでもなく、「いらっしゃ~い」という台詞の書かれた奥田英郎『イン・ザ・プール』シリーズの帯が目に浮かぶ。こんなところに、伊良部がいたーっ。
桐生ブラザースは、腐女子的発想をする人に喜ばれそうだなあ。手フェチを自認する私は、桐生の手の描写ににんまりしてしまった。実際に、手術をする人たちは、爪を丁寧に整えて、綺麗な指先をしている。手が商売道具だからだ。
しかし、なんといってもお気に入りは高階病院長。弓きいろさん版の稲嶺指令@『図書館戦争』のヴィジュアルでよろしくです。というか、こういう品のよいタヌキさんは素敵です。現場のことをよくわかっていて、なおかつ政治的手腕の切れ味も美麗な上司なんて素晴らしい。自分が部下じゃなければ。

手術シーンは、ちょっとヴィジュアルの想像のスイッチを切りたくなった。
血を見るのは苦手だ。内臓を見るのはもっと苦手だ。骨を見るのも好きではない。
親戚の手術後に摘出された臓器を示しながら説明を聞いたときの臭いであるとか、自分が受けた手術の映像を見ながら説明を受けたときの画像であるとか、いろんなものが思い浮かんでしまって……あうー。
今時は手術をDVDに録画して、希望する患者には見せるなんてこと、自分が手術を受けなければ知らなかった。
そういうところでも、これは現在の日本の医療の状況をよく描いているのだろう。そう思った。
医術を過度に美化することもなく、かといって、過小に卑下することもない。そう感じて、私は好感を持った。

キャラクターも魅力的だし、物語も面白い。しかし、それだけに留まらない。
うかつに感想を書けないのが残念だが、医療を取り巻く諸問題の指摘が非常に現実的で、渋い顔でうんうんとうなずいてしまった。
なんでこんなに医師不足の事態が起きているのか? 制度が進むほどにゆとりがなくなり、ゆとりで抱えられていたものが医療の枠から取りこぼされていく。手から砂がこぼれていくように。
創作という物語の次元を通じて、現実への批判を考えさせるような小説が、どうやら私は好きらしい。

面白かったので、次を読もうという意欲が出てきた。
この連休にやることができたぞ。

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小説(日本)」カテゴリの記事

コメント

香桑さん、こんばんは(^^)。
このシリーズはいいですよ~。キャラ立ちまくりな登場人物たちが、すごい勢いで物語を繰り広げてます。
そして、笑い処満載な中にも、深刻な医療問題提起もあり、さすが現役のお医者さんですね。
海堂作品は、あちこちで繋がってるので、なんだかワクワクします。
東城大学医学部付属病院シリーズ以外にも、いろいろ出てます。そして、どれも面白いですよ!

水無月・Rさん、こんにちは♪
さきほど、『ナイチンゲールの沈黙』を読み終えました。
医療の世界がぎすぎすしていっていることをよく聞きます。だから、この物語は夢物語でもなければ他所事でもないという苦さを感じました。
白鳥の説得の手法は、私が興味のあるあたりと重なるので、にまにましちゃいました。私もどちらかというとパッシブ9でアクティブ1が精一杯なので、白鳥の度胸をもらいたくなっちゃいます。

ふふふふ。
とうとう海堂ワールドへ足を踏み入れちゃいましたねぇ(笑)
いらっしゃいませ♪

やっぱり伊良部を連想しちゃうよね~。
最近の作品では白鳥の出番が少ないので、なんだか懐かしい・・・と思っちゃうよ^^;

すずなちゃん、ども。勧めてくれてありがとう! 面白かった~♪
白鳥のゴッキーぶり、今はふと、パタ○ロを連想してしまいました……。
後で出てくる速水のアグレッシブさに、白鳥はかすんじゃったのかな。
この作品は、シリーズから切り離して、単体として読んで面白い秀作でした。

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