2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

著者名索引

香桑の近況

  • 2017.1.4
    2016年 合計50冊
    2015年 合計32冊
    2014年 合計26冊
    2013年 合計32冊
    2012年 合計54冊
    2011年 合計63冊
    2010年 合計59冊
    2009年 合計71冊

    合計323冊
無料ブログはココログ

« 本からはじまる物語 | トップページ | 虚空の旅人 »

2008.10.20

不機嫌な職場:なぜ社員同士で協力できないのか

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926)  高橋克徳(他) 2008 講談社現代新書

職場のストレスを訴える人は多いと思う。
仕事がつらい。大変だ。面白くない。好きではない。
あるいは、人間関係でのトラブルを感じている人もいるだろう。
なぜ、そんなにも、労働が苦痛に感じられるのか。

これまで私は職場環境の問題は、権威主義の文脈から理解しようとしてきた。
岡本浩一『権威主義の正体』などは、その点、非常に参考になる本だ。属人思考に対する批判と、そこから生じる無責任の構造を、同調や服従、社会的手抜きといった観点から説明する。アッシュの同調実験、ジンバルドーの監獄実験、ミルグラムのアイヒマン実験が紹介されていた。

それに対して、この本では、90年代以降、日本企業が、属人性を切り捨てようとして、効率化のために一緒に切り捨ててしまったものを拾い上げていく作業をする。
成果主義の追求と専門性の高度化、雇用形態の多様化から、社員同士の関係が希薄化し、組織力が弱まった。その組織力が、品質問題や不正の抑止力に他ならなかったと指摘する。
誰も助け合わないから、仕事は大変なままだ。協力し合おうにも、隣の人の仕事を自分は知らない。手助けしようとしても余計なことだと思われる? 困っている人がいても、自分以外の誰かが助けてくれるはずさ。

社会的交換理論や傍観者効果が出てくるが、心理学の理論的な説明の部分は、図示されてもいるし、簡便に語られている。専門外の人にも十分に理解できるよう噛み砕かれていると思う。
論の要点も絞られているし、事例がイメージしやすくしてくれている。かなり読みやすい本だと思う。

社員同士が協力し合えるための条件は、肩透かしをくらうほど当り前のことに見える。
集団の凝集性や活動性を高めるための工夫というのは、実は昔からなされてきたことの見直しに近い。
もちろん、懐古主義ではない。昔からの工夫を、更に洗練されること。より成熟した組織になるために必要なことだけを取捨選択しようという主張だ。
居心地がよく、働くことが楽しくなるような職場作り。そこに所属していることが嬉しくなるような組織作り。企業だけではなく、そこにいる社員にとって、ハッピーな場所作りでなければならない。
当たり前だったはずのことが失われてしまっていることがそもそもの問題なのだと思う。

私にとって、今の職場は居心地がよくて、仕事が楽しい日々が続いている。
うちの職場の取り組みや姿勢は間違っていなかったと思えたし、事例で紹介されている企業にも「ここは負けていない」と思える所もあった。
今の職場の雰囲気をいかに保つか。そのヒントをもらった気がする。

この本を読み終えて、電車を降りた。
あまり馴染みのない駅だったのだが、タクシーに乗ると、本の一番最後のほうに紹介されている会社を、まさに見かけた。
こういうシンクロニシティが起きるから、これまた読書って面白い。

« 本からはじまる物語 | トップページ | 虚空の旅人 »

新書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/183237/24617008

この記事へのトラックバック一覧です: 不機嫌な職場:なぜ社員同士で協力できないのか:

« 本からはじまる物語 | トップページ | 虚空の旅人 »

Here is something you can do.

  • ボランティア・寄付ならプラン・ジャパン
    子どもとともに途上国の地域開発を進める国際NGO

最近のトラックバック