先輩と私
そんなわけで、息抜きの一冊。
違うものを抜くように、帯にて指示が入っているが……。
帯の指示はもう一つ。帰宅してから帯と表紙をはずすように書かれていた。
その通りにしてみて、納得。これは人前でははずしてはいけない。
表紙をはずして提供する図書館では、この本は書架に並ぶことがないだろうなぁ。
本屋さんにこの人の本が並んでいるのを珍しく思って、つい買っちゃった。
しばらくあの本屋さんには行けない気がする。
つまりは、今度もエロと笑いの絶妙な競演であり、それも女性ばかりのエロであり、多分にSM要素も入っているわけだ。
とはいえ、エロといっても、この作者が書くエロは、あっけからんとして、堂々としていて、なんだか陽性という感じ。
ささやかな恥じらいやつつしみはありつつも、性に伴う後ろ暗さを感じさせないところが、魅力なんじゃないかな。
ある女子大学にて、官能小説を極めんとする好色文学研究会と、私小説を出版するエロティック文学研究会が対立している。
この対立は、前者がオナニスト、後者がレズビアンという対立でもある。ただし、どちらも女性の性的解放を目指すところは共通である。
こういう設定でばかばかしいと、ひいちゃいけない。フェミニズム・ベーストのコメディなんだから。
小難しいことを考えずに読んでも十分に楽しいのだけど、考えてみても楽しい。いろんなものを逆手に取りながら、ネタにしてみせる手腕が見事なのだ。
ここではその小難しいことをいちいち書かないが、後書きを読んでも、主人公らの会話を見ても、著者の官能小説というものの理想が感じられるのも面白い。
とりあえず、目の前で自分の文章を朗読されることは、確かに立派な羞恥プレイだよなぁ。うむうむ。
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