妖怪アパートの幽雅な日常(4)
季節は梅雨から夏へ。
私がこの本に取り掛かると同時に、梅雨明けした。暑い空気が、小説の中の夏と重なる。
やはり、大冒険が待っているわけではない。
魔道書を使いこなすための地道な修行が続き、生活のための地道なバイトが続き、そんな日常の生活は、小さいながらも出来事の連続なのだ。
子どもは不自由でいい。
なにしろ、子どもは不自由なものなのだ。
自分の心も体も不安定で、自分を使いこなす練習をしている最中であり、自分を知る過程の途中であり、本来の自分の能力なんてもの自体が変化している只中であるのだから。
子どもは不自由でいい。
それは、守られているということだ。
自由という権利に伴う責任という義務を、大人が肩代わりしている。子どもが責任を持つことができるように育て、子どもが自由を掴めるように教え、子どもがいつか大人として誰かを守れるように守る。それが大人の役割である。
子どもを、子どものままでいさせてあげられるような、包容力のある大人と環境が、妖怪アパートの魅力である。
食事がうまく、不思議がいっぱいの夏休みを過ごしたいなら、この本をどうぞ。
***
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