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2008.07.22

空の中(文庫本)

空の中 (角川文庫 あ 48-1)  有川浩 2008 角川文庫

デビュー2作目『空の中』の文庫化。
短編「仁淀の神様」が収録されている点、単行本を持っていても見逃せなかった。
結果、とても分厚い文庫本になっていて、ちょっと驚いた。こんなに長い小説だっけ?

単行本を読んだとき、妙に駆り立てられるような興奮があった。
そのくせ、あまり読み返せずにきた本だった。瞬や真帆のような子どもたちに触れることは日常に多いから、改めて読書のなかでも接したくなかったのだと思う。

単行本では、ディック-フェイクに対象関係論的な発達段階を読んだ。母との幸せな合一を失ったときから人間が宿命的に背負う喪失の体験の物語である。
今回、改めて読んでみると、少し印象が変わった気がする。なんでだろう。
有川作品を読み慣れたからかな。強引さを感じなかったのは、既読だったからだろうか。

子どもたちの成長の物語と、大人たちの恋愛の物語が、いい具合に寄り合わされているところも魅力だ。
大人たちの筋を追うと「ファイターパイロットの君へ」が読みたくなるし、子どもたちの筋を追いながら読んでいくと「仁淀の神様」がぐっと来る。
モデルとなった川漁師さんのことは、以前、野性時代の特集で写真と記事が出ていた。あの方は亡くなられたのか。御冥福を祈る。
亡くなった人を神様になったと考えるのは、古くからある伝統的な考え方である。迷信的かもしれないが、死を受け止める素敵な、洗練された考え方だと思い出させてもらった。

そして、命は連綿と受け継がれる。
短い命も、長い命も。
生まれ、守られ、育まれ。
生み、守り、育み。
いつか、老いて、衰え、死に行くまで。
この営みを、人はどこまで続けられるのだろうか。

夏休みの思い出を振り返るような、思い出のアルバムのような、一冊になる。

もう一度、解離性同一障害について触れておきたい。
解離性障害について、一般的な知識として重要なことは、「現代の精神医学では解離を必ずしも病的な現象とはみなさず、むしろ個人が破局的な体験を乗り越えるための防衛機序として認識されている」(西村良二『解離性障害』)ことである。

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コメント

「ファイター~」も収録されてるかな~と期待してたけど、さすがにそこまでは無理だったみたいで残念でした。
これを読んだ後、すぐに再読しちゃいました(笑)

すずなちゃん、ども。
『空の中』が本当にきちんと終わった感じがして、ほうっと息をつきました。
「ファイター~」も収録して、そのうち完全版として出すとか……。

TB、有り難うございます。
こちらからもお返しいたします。

「仁淀の神様」は・・・・・僕も来ましたよ。
年少組の「その後」も含め、悲しいけど穏やかな雰囲気が良かったです。
宮じいのモデルの方には、一度会ってみたかったものです

白い怪鳥さん、こんばんは。
きっと、仁淀川に行くと、神様に会えるんですよ。
悲しい別れがあっても、瞬はそれを受け留めて生きていける大人に育っていましたね。
読めてよかった数年後でした。

こんにちは。お久しぶりです。
過去記事だったのでどうしようかなと思ったのですがカキコさせていただきました。
デビュー2作目とは思えない作品でした。
長かったですが、フェイクの行く末に、光稀と高巳、瞬と佳江の展開が気になって読む手が止まりませんでした。
「仁淀の神様」は瞬と佳江の年齢的に内容は予想がつき、やっぱりそういう展開だったので悲しかったです。でも、良いお話でした。

お久しぶりです。苗坊です。
すっごく今更ですがあけましておめでとうございます^^;
入院されていたのですね。びっくりです。
お体はもう大丈夫なのでしょうか…
まだまだ寒い日が続きますのでお体ご自愛ください。
また香桑さんと本の事諸々お話させていただければ嬉しいです。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

苗坊さん、忘れずにいてくださってありがたいことです。
お返事が遅くなり、申し訳ありません。

ブログから離れてしまうと、ここを覗くのも億劫になってしまって(^^;;
今年もゆるゆると、忘れた頃に更新すると思います。
苗坊さんにとって、よい一年になりますように。

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