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2008.06.10

スリーピング・ビューティ3:至上の愛へ、眠り姫

至上の愛へ、眠り姫―スリーピング・ビューティ〈3〉 (扶桑社ミステリー)  Anne Rice 柿沼瑛子(訳) 1999 扶桑社ミステリー文庫

書くのが面倒になって、さぼっていました。
ちょっと、エロにも飽きてきたかも。

眠り姫は、ローランやトリスタンらと共に、スルタンの後宮へ連れ去られる。
そこでは彼らに知性は求められない。言葉の通じないペットのように扱われる。
よくしつけられたペットは、主人が求めることを自ら進んで行わなくてはならない。
強制されて簒奪されるのではない。羞恥を感じることは、もはやない。
貴族達の玩具から、民衆の奴隷、そこから更に進んで、宮殿の装飾の一つになり、馬になる。

この巻には、多少の政治的なメッセージも感じる。
眠り姫とイナンナという女性同士の性描写で、イナンナら後宮の女性が女子割礼(クリトリス切除)を受けていることが出てくる。ちょうど、フランスでアフリカ系女性の伝統的な文化が問題視され始めた頃である。
女性の性の悦びを肯定する眠り姫に対して、ほとんど主人公を乗っ取ったようなインパクトを示すのが、ローランだ。

立場の逆転は、どうしてこうもエロティックになるのか。
ローランを中心として描かれるパートは、日本だったらBLに分類されていいような内容である。
見所は、なんといっても、ローランとアレクシアスの下克上なカップルである。
巻末に解説を書く山藍紫姫子もお勧め。いわく、最初の二冊に比べると、この巻が一番日本の「耽美やおい小説」に近いとのこと。
個人的にも、この巻が一番読みやすい。先の二冊はあまり読み返さなかったのだが、この巻は読み返した。

しかし、眠り姫らはスルタンの国から女王の国に連れ戻される。それどころか、本来の居場所へと連れ戻されることになる。
その末に、眠り姫は運命の王子に出会えるのか?

支配と服従、隷属と自由、信頼と欲望の物語は、いかにもアメリカ的なプリンセス・ストーリーらしいハッピーエンドを用意している。
物語の深みという点では、母子の葛藤を導入したタニス・リー『鏡の森』や桜庭一樹『少女七竃と七人の可愛そうな大人』などと比べるべきもない。
しかし、プリンセスのファンタジーを打ち壊すには役立つのではないか。
いずれにせよ、大人向けのお伽噺であることには間違いない。

 ***

スリーピング・ビューティ1:眠り姫、官能の旅立ち
スリーピング・ビューティ2:眠り姫、歓喜する魂

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