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2008.06.27

ぼくが最後のクレーマー:クレーム攻防の方法

ぼくが最後のクレーマー―クレーム攻防の方法 (中公新書ラクレ 281)  関根眞一 2008 中公新書ラクレ

1に迅速であること。
2に誠意をもって行うこと。
3に正確を期すこと。

一見、シンプルな原則。しかし、自分だったら、どこまで徹底できるのか?
これを徹底したプロの言葉には、耳を傾けるに値する様々な智恵がこめられている。

著者が百貨店の「お客さま相談室」で働くうちに得た知見を中心に、医療現場および教育現場に活かす応用のヒントを付け加えた構成である。
お客さまはあくまでもお客さまであり、お客さまは正しいという視点から、著者は取り組む。
したがって、滑稽だったり、皮肉になりがち事例であっても、著者のまなざしは優しく、表現に敬意が感じられる。
第一に、相手の立場に立って話を聞き、クレームを訴えることによって何を求めているのか、その言葉の裏側にあるニーズをアセスメントし、そのニーズに応えるよう努力をすること。
これは、教育や医療をも含んだ接客やサービス全般に必要な能力ではなかろうか。

そういったコミュニケーション能力の高さは、仕事の上で必要なだけではなく、全生活史的に活用されるべきものだと思う。
コミュニケーションする対象である他者は、家族であれ、恋人であれ、友人であれ、先輩後輩や教師や上司部下や隣人や、事欠かない。
ただし、プロであることを求められるのは仕事の面でのことだ。仕事場面でのクレームは、個人攻撃ではないことをわかっていれば、この本に紹介されるような冷静な対応もいくらかとりやすくなるだろう。

ここで紹介されていた「お客さまは正しい」というスチューレオナードの信条は、解決志向アプローチの「クライエントはクライエントの問題の専門家と見なせ」という指針を想起させる。
どこまで対応できるかはさておき、クレームや苦情を言ってもらえるだけ、怒ってもらえるだけましだという感覚には共感する。
そこでそうやって相手が苦情を表明してくれるからこそ、こちらは弁明し、補償し、和解する機会を与えられるのだ。
そこで取り成しの機会が見つけられなければ、その後ずっと後悔しなくてはならなくなる。取り成しの過程は、確かに、ストレスに感じたり、エネルギーも奪われるとしても。
この苦情やクレームへの対応上手になることは、後々まで自分がすっきりと気持ちよくなるための工夫や努力なのだ。惜しんではもったいない気がする。

警察にゴキブリ退治をお願いしたり、恋愛相談の電話をかける人もいると、ネットで記事を読んだ。
どこでも相談を受け付ける部署では、本来、想定していない類の相談を持ちかけられてしまうこともあろう。
そんなときにも、この本は参考になると思った。

逆に、そういった的外れな要求をしがちな人にも、自分を客観的に眺めるきっかけになるといいのだけど。
自分自身もモンスターにならないように。
上手に、苦情を訴えたり、受け取ったりしたいものである。

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