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2008.05.31

スリーピング・ビューティ2:眠り姫、歓喜する魂

眠り姫、歓喜する魂―スリーピング・ビューティ〈2〉 (扶桑社ミステリー)  Anne Rice 柿沼瑛子(訳) 1999 扶桑社ミステリー文庫

眠り姫、反抗期です。

従順さを追求すると、ひとつの矛盾が生じる。
積極的に受身的になるというのは、どういうことか。
受身的にしていても懲罰をうけるのであれば、なにゆえ恭順を示さなくてはならないのか。
懲罰が称賛であり、褒美であるのならば、よい奴隷はますます懲罰を受けるように振舞うべきであるのか。
そういった混乱が、いわば反抗期のように、眠り姫を襲う。
なぜ、私達は従うのか。

眠り姫を目覚めさせた王子の城から出て、ひとつの村に舞台を移す。
貴族達の玩具から、民衆の奴隷に、レベルアップ(?)だ。快楽を伴う懲罰の世界から、ただ単に、労働のための懲罰が加わる世界に。
前巻のラストに登場したトリスタンは、奴隷というより馬。日本では犬になりそうなところが、このシリーズでは馬になるらしい。馬の文化が、日本よりも日常的なのかな?
権力構造において、男性を強者、女性を弱者とするのではなく、強者の女性も出てくれば、容赦なく男性も弱者にされる。
というか、著者は、男性を引きずりおろす過程を楽しんでいるに違いない。と思う。

マルキ・ド・サドは組み合わせの無限のヴァリエーションを示したというが(三島が書いたのか、誰が書いたのか忘れたが)、エロスは関係の種類と行為の種類の無限のヴァリエーションから成る(プラス、感情だけど)。
が、ヴァリエーションを貫く主題は、統一されるのではないか。そこに思いを馳せるのがトリスタンだ。
真の服従とは何か。真の自由とは何か。完全な隷属が完全な解放に通じる経路になる。
そのあたりの考察、マゾの気持ちはよくわからんと首をかしげたフロイトに、読んでもらって感想を聞いてみたい気がする。
『O嬢の物語』と比べてみても、はるかに丁寧な検討であり、描写である。

トリスタンは素晴らしい出会いを果たすが、眠り姫の魂はいまだ眠り姫のものであり、誰にも譲り渡さずに誇り高くいる。
体も心も魂までも、すべてを捧げられるような出会いはあるのか。それは、もはや、愛と呼ばれるのものではないのか。
彼ら二人は、第三巻へと連れ去られる。さらなる高みへたどりつくのか。
この巻の解説(小谷真理)も、興味深く面白かった。

 ***

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