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2008.03.05

大人のケンカ必勝法

論争・心理戦に絶対負けないテクニック

大人のケンカ必勝法―論争・心理戦に絶対負けないテクニック (PHP文庫) 和田秀樹 2004 PHP文庫

玄田隊長@図書館戦争、推薦の書!
……に違いないと、行きつけの本屋さんの馴染みの店員さんが教えてくれた本。
玄田隊長が子どもに教えるケンカ必勝法とはちょっと趣が異なっているところもあるが、同じことを言っているところもあったのが面白い。
たとえば、データを集めろ、ギャラリーを味方につけろといったあたりに見覚えはないかい?

その場の議論や交渉に勝てばいいとは限らない。
肝要なのは、その後に恨みを残さず、ギャラリーの評価も得て、できれば相手とも友好的な関係を維持することだ。
長期的な視野を入れて、勝つ。目先の問題では負けても、それが勝つことになる可能性も視野に入れて臨む。
「相手を納得させ、説得し、味方につける」ことができればいいし、「相手の弱点を突き、感情的にし、自滅させる」方法もあるが、ケンカに負けても生き残ることが一番大事なのだ。

平易な言葉で、認知療法から集団精神分析まで、解説されているところにはびっくりする。
中でもビオンがこんなにわかりやすく説明されているのは、初めて読んだ。
論理的背景には著者の専門知識が盛り込まれており、信頼感のあるマニュアルになっている。
なにしろ、著者自身が、いつも議論に勝っているわけではないと告白しているところで、この本は必勝のファンタジーを売る本ではないことがわかる。

ちょこっと触れられているが、これは恋人や家族や友人に使うテクニックではない。特に相手を自滅させる方法は、恋人や家族や友人に使うテクニックではない。
この本に取り上げられているのは、ビジネス場面での活用を前提にしたケンカだ。そこから、人生という勝負まで視野を広げつつ書いてある。
恋人や家族の間で、晩御飯を何にしよう?とか、家や車を買うのでどうしよう?といった、共同で課題に取り組む際の話し合いにも活かすことはできる。

しかし、何かしら、勝つべき勝負、果たすべき課題、解くべき問題があるような関係性と、ただ親密さの維持を心がける関係性はまったく質が異なる。
後者において問題解決的な思考を持ち込むと、二人の齟齬という問題の解決と同時に関係の解消ももたらせられうることを懸念しておいてよい。
親密であるべき関係において、親密ではないという問題を提起しているとき。
それは電話やメールの返事がなかったことかもしれないし、ほかの異性とのつきあいを問題にしていることかもしれないし、二人だけの大事な約束を忘れてしまっていることかもしれないし、何か問題が起きているとして、だ。
それを問題にするほうは感情的になるだろうし、問題にされたほうは冷静に危機を乗り切ろうとするだろう。
しかし、概して、冷静になられると余計に腹が立つものである。問題にする人の性格の問題などと冷静に切り返されると……後は推して知るべし。

同時期、元彼のしたり顔の解説(この本についてじゃないが)を読み、どの口が言う?と不愉快なことを思い出した。
「あなたのことはわかっている」などと決め付ける人に限って、実は何もわかっていないかもしれないよー、と遠くから言い返しておくことにする。
わかっていないことをわからない人には、近くによってものを申しても通じないので、聞こえないぐらい遠くからでちょうどよい。
その人相手には、私も負け癖がついてしまって、あまり冷静な対応ができなくなっていたのも、ある意味、敗因。お互い、勝負の関係に陥ってしまったのも、かなり敗因。
いずれにせよ、人格批判は、おそらく、課題探求的な関係においても、親密希求的な関係においても、きわめて慎重な配慮とともに行われてほしいものである。

 ***

試してみてダメだったら、別のやり方をすればよいのであって、試してみないうちから、試さないことの言い訳を議論するというのが一番よくないことだ。(pp.62-63)

一番いけないのは言いなりになることであり、一度も抵抗しないで負け戦が習慣化してしまうことだ。(p.77)

人生という限られた時間を有効に使うには、勝てる勝負、得意な分野に特化することが一番効率的である。(p.163)

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