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2008.02.19

キリスト教は邪教です!:現代語訳『アンチクリスト』

キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』  F.W.ニーチェ 適菜 収(訳) 2005 講談社+α文庫

笑いながら読むニーチェ。
こんな風に訳してくれると、確かに読みやすい。格段に読みやすい。その上、ニーチェのハイテンションっぷりがよくわかる。危なっかしくて、ひやひやする。
『アンチクリスト』を初めて読んだのであるが、ニーチェがいろんな誤解や問題を引き起こすのもわかった気がする。

哲学を真面目に扱いたい人であれば、できれば、これを読んだあとに、他の訳の『アンチクリスト』を読んでみたほうがいいだろう。
そうじゃないと、ニーチェを語るのか、訳について語るのか、ちょっと混乱を招きそう。
ちなみに私がほかに読んだことがあるニーチェの著作は、『ツァラストラはかく語りき』のみ。
哲学プロパーでもないので、ニーチェでがははと笑えた驚きだけで、十分である。

内容が内容であるため、訳語を選ぶのも気を遣うことだろうが、表現上の問題から眉をひそめるところもある。そこは、ニーチェの問題だと私は思う。
個人的な興味で宗教における女性原理の問題など、仏教を過大評価しているが、キリスト教批判は尤もだと頷いてしまうところもある。
歌舞伎の鳴神を見ながら考えていたことであるが、鳴神上人は仏陀でさえ妻子がいたのだからと雲の絶間姫への欲情を肯定しようとする。
仏教文化では処女性が神格化されていないと思うが(ギリシャには処女神が三柱はあるし、チベットには処女神クマリの信仰もある)、基本的に僧侶は純潔を求められ、女性は誘惑者の位置づけになる。性的な関係を穢れとするのか、女性を穢れとするのか、解釈は横においても、生と性の自然な活動を拒絶することに価値を置く点では、キリスト教と大差がないように感じてしまうのだ。

ニーチェの文章はプラトンへのオマージュであり、人間の自然の姿も『国家』を翻案したものである。
現実の生を肯定し、透徹して、より高貴に生きよとルネサンス(うまれかわり)を呼びかける。
借り物の他民族の文化(ユダヤ文化およびその派生であるキリスト教文化)を捨て去れ、と、ドイツの責任を問う。
民族の意識を鼓舞する強い口調は、ナチスへと扇動する道具として利用しやすかったことだろう。
ニーチェの憧れの女性が、コジマ・ワーグナー(フランツ・リストの娘。指揮者ビューローと結婚後、離婚してリヒャルト・ワーグナーと再婚)だったことを考えると、全体が大きな弁明にも見えてくる。

本書は、やぎっちょさんの"やぎっちょ"のベストブックde幸せ読書!!で知りました。
哄笑もすれば苦笑もし、嘲笑も漏れる、この批判の書。
登場人物についての説明も充実しているので、哲学初心者にも親切。試しにどうぞ!

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コメント

香桑さんこんばんは♪
この記事。すっかりコメント書いた気でいましたが、あれは自分のブログだったのですね。失礼致しました。
なんかこのところ忙しくって頭ボーっとしてます。今日は久々にお休みだったので遊びに来れたのですが遅まきながら気がついてよかったです。
てか、香桑さん詳しいですね・・・★

やぎっちょさ~ん。
コメント、ありがとうございます。お忙しいのに……。
やぎっちょさんのところに書いたとおりです。無理をなさらずにいてくださるほうが嬉しいです。

詳しいですか?(^^; 哲学は昔の趣味ですから。
でもほんと、この本は教えてもらえてよかった本です。面白かったです!

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