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2008.01.26

阪急電車

阪急電車  有川 浩 2008 幻冬舎

えっちゃんの彼氏が欲しいーーーっ。
えっちゃんの彼氏みたいな彼氏がいいーーーーーーっっっ。
バカでもマヌケでもアホでもヘタレもいいから、優しい人がいい。
くだらない男ではなく、うっかり寝取られる男でもない、私を傷つけない人がいい。
今回は叫ばずにいられません。ちくしょーーーっ。

一話完結の短編であると見せかけて、幾つかの筋が同時進行で進む大きな物語になっている。
何人もの人を乗せて、その人数分の物語を載せて、電車が進んで行くように。
舞台となるのは、言うまでもなく阪急電車。関西圏の私鉄である。
よく磨かれたえんじ色の車体は通学の手段だった。有川ファンとしてだけではなく、元阪急ユーザーとしても見逃せないタイトルだ。
もっとも私が使っていたのは、もっぱら京都線。本書に出てくる今津線に乗ったのは2回ぐらいだと思う。

一回は宝塚を観に行ったとき。もう一回は……と思い出せば、芋づる式にずるずると思い出が蘇り、翔子に自分を重ねる。
復讐を願ったときのことを、踏みにじられた恋のことを、まざまざと思い出して、初日はそれ以上、読み進めることができなくなった。
ああ、これほど美事に復讐を果たしてみたかったものだ。どんなにむなしくても、苦くても。もっともっと効果的に徹底的に致命的に復讐したかった。復讐がかなうなら、我が身を切り刻むことをいとわない。あんたが殺した女を決して忘れるな、と。
人を傷つけた分、自分も傷つけて、血まみれになった日々の思い出なら、事欠かない。

日を改めて、気分を切り替えて、続きを読み直す。
ミサの彼氏ほどろくでもないわけではなく、くだらない人ではなかったと思いたいけれど、彼はどれだけ寄り添おうとしてくれたのか。
ほんと、ばかばかしい。それもこれもあれも、潮時にしてもいいと思えるまで、ずいぶん長くかかった気がする。
家族や友人達、見知らぬ人や通りすがりの人、本や、いろんな出会いに助けてもらった。
そんな出会いを思い出すような、凍えきった心をゆっくりと溶かし、解きほぐしていくような温もりに、この本は溢れている。
私の通う町もツバメが多い。通勤のたび、軒先を見上げて、ツバメが育つのを見守るのが夏の楽しみだ。

雑誌パピルスで数話は読んだ。宝塚駅から西宮北口へ。
が、なんと半分は書き下ろし。折り返して、西宮北口駅から宝塚駅へ。
雑誌で読んだ人も本書を読まないという手はない。
通りすがりの触れ合いだけでほぐれていった糸が、今ひとたびよりあわされる。

この後半、だらだら泣きながら読んだ。布団の中で、次から次へ、涙が出てきた。もう止まらん。
ひーん。ツボを押されては涙が出て、地雷を踏まれては涙が出て、有川さん、もろもろ込みで地雷原を一挙まとめて爆破するような。
幸せでいいなあ。幸せであることがいいなあ。安堵が半分、羨望が半分。幸せすぎて涙が出てくる本なんて、滅多にないぞ。
えっちゃんの彼氏がいいよー。健吾も、圭一も、征史も、みーんなまとめて、いい男ばっかりだ。いやいや、有川さんのだんなさんこそ素晴らしい。

読み終えて、こういう女は幸せになりにくいんだけど……と思いながら、翔子に倣って、この年になると作るのが難しい友達を作る勇気を出してみた。
私もそこそこ幸せでありたいものだ。そして、将来的には、時江さんみたいになりたい。さて、いかに!?

いつもの本屋さんで予約し、真っ先に購入させていただいた。レジの人が二冊の小冊子を重ねて、一緒に袋を入れる。
帰宅してゆっくり見て驚いた。季刊「読書のいずみ」112号と113号。前者の表紙には「座・対談 有川浩:愛と勇気と冒険と」。後者の表紙には「万城目学:あの頃の本たち」。大学生協の書籍部で配られているものだ。わざわざ手に入れてくれたのか。
感激した。

***

TBのかわりに……

苗坊さんのブログ『苗坊の読書日記』 阪急電車 有川浩
オススメ! 恋の始まり、別れの兆し、そして途中下車…。

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小説(日本)」カテゴリの記事

コメント

わかるーっ!
私も「えっちゃんみたいな彼氏が欲しぃーっ!」って叫んじゃったもん(笑)
そして翔子には賞賛の拍手を送りました。よくやったっ!なんか清々しさのようなものまで感じてしまったよ^^;;;
往路と復路での時の経過にヤラレちゃったよ。そして、私もぐしゅぐしゅと泣きながら読了でした。
今更ながら、有川さんにノックアウトされちゃった(笑)

叫ぶよね? そこ、叫ぶところですよね!笑
やっと、作者テレビ出演の録画を見ました。いやもうほんと、いいです。この本は。
有川さんは進化し続けている作家さんのような気がします。ますます「一番好きな作品」が選びづらくなってきました。

ようやく読了しました。
多分、発売日に購入したと思うのですが、もったいなくて(またですか)なかなか読めずにいたのです。
関西地区にはなじみがまるでないので、今津線といわれても空想の世界にある路線となんら変わらずに読みました。
「ああ、あそこね」と思って読める方がちょっとうらやましいかな。
えっちゃんの彼は本当にいい男ですね。
彼は学力は低いかもしれないけれど、正しい人だと思います。
えっちゃんの復路にはちょっと泣きました。どこって担任の一言に!

秋村さん、こんばんは。TB&コメント、ありがとうございます。
楽しみな本ほど、早く読みたい気持ちと、じっくりと丁重に取り扱い気持ちとの板ばさみになりますね。

タイトルがそのままズバリ『阪急電車』というのもすごいです。驚きました。
ローカルさをものともしないのは、あまり関西弁が目立たなかったり、関西の大学に通うために他県から来ている人が登場するからかもしれません。
風景はわからなくても、素敵な人間模様だったと思います。

香桑さん
こんばんは~♪
相変わらずすごい本屋さんですね~。なんかそっちの方が感動ものなんですけどぉ・・・。
有川さんの書く人たちってほーんと魅力的ですよね。女子もなかなか良かったような気がするなぁ。
にしても、糸に月の話って実話だってところが一番笑えました★

やぎっちょさん、こんばんは。TBありがとうございます!
そうなんですよーっ。本屋さん自慢しちゃいます。すごく嬉しくて、舞い踊りそうになりました。
ついに、本屋さんの店員さんと、“有川ファンの集い”(飲み会?汗)をすることになったのです!

糸に月はしばらくクセになりそうです♪

うっそ!超参加したーい。
電車の中の出会いじゃないけど、本屋の出会い。
ろまんてぃっくだ!!

やぎっちょさんも誘いたいっ。
当会の参加要件は、もちろん、この『阪急電車』を読んでいることです♪

こんばんは。TBありがとうございます。
こちらからもTBさせていただきました。
主人公たちの出会い、爽やかでした。
全体的に安心して読める話で
今回は甘すぎずいい感じと思いました。

最近TBのみでコメントいただけないのは、
こちらに何か粗相があったためと、
反省しています。

藍色さん、こんにちは。
TBとコメントありがとうございます。
私の欠礼でお気を遣わせていただきました。申し訳ありません。
TBが無事に届くかなぁ?という心配と、藍色さんの手間を増やさないほうがいいかなという遠慮とで、失礼をさせていただきました。
それなのに、こうしてコメントをいただけてありがたく思います。
どうぞ、今後もよろしくお願い申し上げます。

香桑さん、こんばんは(^^)。
来ましたよ、来ましたよ!有川さんの新作ッ!
そして、見事に白旗をあげましたですよ(笑)。
翔子さんカッコ良かったですね!私はミサさんもいいな~と思いました。
というより、女性陣みんな「はちきん」なので、それだけで小躍りしつつ読むという、器用なことをやってのけました(^_^;)。
えっちゃんのトンデモ彼氏、いい味出してますよね。確かに、学力はないけど、ココロがまっすぐで、まっとうなオトナだと思います!

水無月・Rさん、こんばんは。
女性陣、どの人もどの子も魅力的でしたね。ミサちゃんも前半から後半にかけて、ぐっと成長した感じがしてよかったです。
しかも、この構成。有川さんは上手な書き手さんだと感服しました。

ちなみに、文藝春秋の『三人のおっさん』もいい味でした。

香桑さん、こんばんは!
旦那様のひと言からこんなに素敵な本を書いてくれてありがとう、有川さん♪と、言いたくなっちゃうような内容でした。
最後まで読んで、また最初に戻り…『阪急電車』何往復もしちゃってます。
読みながらみんな幸せになっておくれね~と願いながら。
本屋さんの話、素敵ですね~♪

エビノートさん、こんにちは。TB&コメントありがとうございます。
このあとがきで、有川さんの旦那さんのファンも増えたに違いないです。
こういうタイトルの選び方って、かなり思い切ったものなんじゃないかな、と思いました。
首都圏ではない私鉄の小さ目の路線にスポットを当てているわけですから。
それでいて、その場を知らない人にも、臨場感があるような人間模様を描いてあって、決して鉄分は多くないという。

行きつけの本屋さんに、いつかこのブログの存在がばれる日がちょっと怖いです。(^^;;

こんばんわ。TBさせていただきました。
叫んでいますね~。でも、お気持ちはわかります。
ちょっとおばかだけど、彼女の事をちゃんと考えていて、年下でも相手を見下さず、一人の人としてみているのとか、紳士だなと思いました。
でも、出会いは征志とユキの出会い方が理想です。

苗坊さん、こんばんは。TBを受け取れなかったようですので、直リンを貼らせていただきました。
征志とユキの出会い方も素敵でしたね♪ 塚口でナンパよりも、ずっといいです。笑
ちょうど今日、この本を読み直したところでした。ゴンちゃん達もかわいいですし、読んでいて胸がほかほか温まりました。

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