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2007.12.31

天帝妖狐

天帝妖狐 (集英社文庫) 乙一 2001 集英社文庫

中篇2つ。『失はれる物語』に続いて2冊目の乙一作品。
「A MASKED BAWL」は解説を読むまでもなく、トイレの落書きを用いたところが面白い。
こんなやり取りは、学校のトイレや駅ビルのトイレで実際にありそうだ。
「落書きをしないでください」と書くのも落書きじゃないか、という矛盾。
悪意がなくとも人を傷つけることがある。人を傷つけていることに気づいていないこともある。そんな状況作りのうまさは抜群だ。

「天帝妖狐」は、表題からはもっと大仰な物語を想像していた。だから、ちょっと期待はずれだった。
森見登美彦『きつねのはなし』を連想する。京都動物園にいる狐@『鹿男あをによし』とは、ちょっと違うきつねのイメージ。
これは、怪異の物語であるけれども、他者と折り合いがつきにくく、なかなか周囲になじめぬ体験をしている人に、そうっと触れて慰めるようだ。

触れる。
ただそれだけが、自分にとっても他者にとっても、自分が存在していることが確かめる手段だ。
触れられる。
その手が、自分の存在を認め、許し、暖める。守り、癒し、慰める。
だから、触れてほしい。触れてくれた人の手を忘れない。

どちらも端整な日本語でつづられており、大人びて落ち着いた趣がよい。
後者は特に作者の若さが感じられないぐらいだ。
こういうのをホラーというのかな? 怖くはないんだよね。むしろ神話的な表題作だった。

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