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2007.10.28

京都の平熱:哲学者の都市案内

京都の平熱  哲学者の都市案内 鷲田清一 2007 講談社

京大で教えていた人の書いた京都案内。ということは、京大生とも生活範囲が似通っていることだろうと思い、購入。
森見登美彦や万城目学の本に出てくる京都と、どこか似通っているだろうと期待して。森見登美彦『有頂天家族』に続けて読んだ。

京都駅から東へ向かって出発し、ぐるりと206番の市バスに乗って京都を一周する。
三十三間堂の近くのホテルにはこの前、泊まったばかりだが、あまりなじみのないエリアだ。
著者は生活をしていた景色を書くことに専念し、観光客向けの名所案内を避ける。つまり、寺社や大学のことはほとんど書かれない。
俗なことを取り上げるといっても、祇園の界隈には馴染みがなさ過ぎて、興味を持つことが難しかった。

私も京都に住んでいたことはあるが、市内ではあっても洛中ではなかった。
京都生まれでもないし、子どもの頃であるから、生活範囲は限られていた。
だから、この本を読むと、京都を懐かしむ気持ちがあっても、初心者扱いされることで、ちょっとひねた気分になった。

もちろん、知っている場所が出てくると嬉しいし、読むスピードもあがる。
今宮神社のあぶり餅なら、井戸のあるほうのお店と決めていたし。
丸善ばかりか、オーム社なども姿を消していることを知って悲しくなった。
わびすけに六曜社、フランソア、進々堂、天下一品、一澤帆布(もともとの)、飲食代を食器洗いの労働で立て替えさせてくれる中華料理屋さんに、アバンティも忘れちゃいけないけれども、イノダぐらいは昔のままであって欲しい。
206番の路線上にないから登場しなかった場所が残念だし、著者が避けた寺社仏閣や博物館などが私は大好きだ。価値観の相違は仕方がない。

作者は極力省いているのだけれども、やっぱり学生さんの話が面白かった。
大文字を犬文字にしちゃった話とか、実話なんですねえ。いまや都市伝説の域に達した感があるが。
森見登美彦や万城目学が描くネタのあれこれの原点はここか!と、にやにや笑いたくなった。

京都へ行こう。
このCMを観ると、涙が出そうなほどのホームシックに駆られた数年があった。
時折、行く機会があるが、そのたびに景色が変わり、老舗の小さなお店が殺伐としてきている気がする。さびれてすさんで消えてしまうか、ガイドブックやメディアで取り上げられて客が殺到し、せかせかと忙しく、ぎすぎすと厳しくなってしまうか。
みやげ物は日本のどこでも手に入れることができ、しかも生産地は販売地と同じとは限らぬことも多々ある中で、京都はどうやって生き残るのか。後半の都市論、都市再生論のあたりが興味深く、面白かった。
地方都市在住者としては、都市とは言えないほどの町に住む生活も心地いいと思うんだけどね。

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