2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

著者名索引

香桑の近況

  • 2017.1.4
    2016年 合計50冊
    2015年 合計32冊
    2014年 合計26冊
    2013年 合計32冊
    2012年 合計54冊
    2011年 合計63冊
    2010年 合計59冊
    2009年 合計71冊

    合計323冊
無料ブログはココログ

« 俳句 | トップページ | ルバイヤート »

2007.08.03

其角俳句と江戸の春

其角俳句と江戸の春 半藤一利 2006 平凡社

「理解できないのはそっちの教養と眼識とが不足している」(p.125)とうそぶく。
挑発的なところが、其角の魅力らしい。
大酒のみの詩人とくれば、李白を筆頭、次点にオマル・ハイヤームを挙げていたが、今度からは其角も加えたい。

季節ごとの名句の解説に加え、忠臣蔵、三囲神社、永井荷風との絡みで書かれたものも面白い。

詩句を読む難しさは、幾重にも折り重なった、世界観にあろう。
短い言葉の背景には、もとの和歌や漢詩が、わかればわかるほど味わいが深まる。
本歌取りの妙は、詠み手の教養や感性をひけらかすと同時に、読み手の眼識や力量を試す。
「わかるものだけがわかる」という挑戦的な、暗号の世界なのだ。それをわかるという楽しみ方がある。

さらに、詩句を読む難しさは、一度にたくさんの詩句に触れると、一つ一つが記憶に残らないことである。
詩句は一つを何度も何度も目でたどり、舌でなぞり、折につけて思い出せるように憶えこむ楽しみ方がある。
こういう解説を読んで、成る程とうなることは多けれども、一読したぐらいで暗記できるような量を超えている。

その量でもって全体として、其角という世界を再構築しているのであるから、ほんの2、3でも記憶に刻むことができれば、初歩の私としては上出来だと思った。

俳句からは少し離れるけれども、『平家物語』では死者120人中、切腹したのは5人か6人。『太平記』では2140人以上が切腹していると、そこに人の心が殺伐になったと見て取る。成る程なあと頷いたり、よくも数えたものよと驚いたり。
そういう歴史や古典の薀蓄集として読むだけでも面白い。が、お小姓は男前のほうが思い描くに楽しいが、ヨン様はちょっと……。
ホトトギスの声は初夏になると毎年聞こえる点、今も我が家は江戸並みの田舎っぷりかもしれぬ。

以下、私なりに印象の強かった句のトップ3を記しておく。

 ***

 御秘蔵に墨をすらせて梅見哉
 傘に塒かそうよぬれ燕
 しら雲に声の遠さよ数は雁

 我雪とおもへばかろし笠のうへ ……も、捨てがたいなあ。3つにならず。

« 俳句 | トップページ | ルバイヤート »

# 江戸周辺」カテゴリの記事

詩句」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/183237/7389596

この記事へのトラックバック一覧です: 其角俳句と江戸の春:

« 俳句 | トップページ | ルバイヤート »

Here is something you can do.

  • ボランティア・寄付ならプラン・ジャパン
    子どもとともに途上国の地域開発を進める国際NGO

最近のトラックバック