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2007.08.17

パパとムスメの7日間

パパとムスメの7日間  五十嵐貴久 2006 朝日新聞社

役割交換のロール・プレイ。
カップルの関係性の見直しのために、夫に妻の真似、妻に夫のふりをして会話をしてもらう。
いじめの予防と解決のために、いじめる側と、いじめられる側を決めて、なりきって演技をしてもらう。
今ここで、相手だったら、何を感じ、何を思い、何を考え、何を言い、何を行うのだろうか?

すずなちゃんのブックレビューで知った後、ドラマ化された。
そのため、パパのイメージはどうしても舘ひろしさん。
声も喋り方も、学校の景色や町並みも、ドラマを頭の中で再現するようにして読んだ。
とはいえ、小説には小説の表現手法があって、ドラマにない面白みもある。
ムスメの口調は、文章でわざわざ読みたいものではないので、どちらかといえばパパ目線で読んだ。

ヴィスコンティの映画のあたりが、私のツボ。確かに、寝れる。というか、寝た。
「ルードヴィヒ:神々の黄昏」でも寝れるし、「山猫」でも眠れる。熟睡可能だ。
画面がどれだけ綺麗で、建物も衣装もこりまくっていたとしても、だ。
デートで空振りするつらさに共感してしまうパパが微笑ましくてよかった。

組織は腐ることがある。企業の中で、腐りそうな気分をなだめながら働いている人には、ムスメの正論に励まされることもあれば、そんなにうまくいくわけないとますます腐りたくなるかもしれない。
どうしてこう、顔色をうかがう相手を間違ってしまうのか。
自分の顔を向ける方向を間違えないようにして、日々を過ごしたいものだ。

ところで、西野さん。ああいう人っているよな……と思い出すと薄暗くなる。
日本語がまっすぐ伝わらないの。相手の中で都合よく都合よく、つけたされたり、すりかえられたりして、まったく言葉が通じなくなる。
自分の中だけで世界が完結している人は、バランスが悪い。適応範囲内におさまっている間はいいが、はずれてしまうと修正が難しいところが気の毒だ。

物語は「ありえない話」という意味でファンタジーの設定なんだけれども、パパとムスメが立場を入れ替えて眺めるそれぞれの生活はリアリティがあった。
医療を頼って科学を導入せず、ファンタジーを保ったところが、興をそがずにすんだのだと思う。
共通する取り組むべき課題が解消されたとき、非常事態の緊密な関係は失われるかもしれないが、お互いへの理解は深まっているはず。
できれば、ラストは、パパとムスメがもう少し仲良くなっているといいな、と思ったけれど。
小説を読んで自分の立場を入れ替えてみた後は、父は娘に、娘は父に、笑顔の一つ分ぐらいサービスできたらいいな、と思った。

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コメント

こんばんは。
楽しいファンタジック・コメディでした。
入れ替わってからのカモフラージュの日々、笑えましたね。
ヴィスコンティの映画は見てました。
私が寝られるのは「惑星ソラリス」です。

どもども。
ドラマの方は館さんの女子高生しぐさが堪らなく可愛いっ(笑)ドラマを見てから読んでも良かったかも?と思っちゃったよ。

>日本語がまっすぐ伝わらないの。

うん。こういう人はいるね;;;言葉を尽くしても伝わらない、伝えられないもどかしさを感じて凹みます。。。

入れかわった後のドタバタが可笑しかったですね~。
パパはちょっと、いえ、かなり哀れで同情してしまいましたけど。
ドラマの舘ひろしさんの演技、最初は違和感がありましたが慣れると味があってなかなか良いですね。

皆様、コメントもTBもありがとうございます。お礼が遅くなりました。

>藍色さん
「惑星ソラリス」かなり眠くなるらしいですね! そちらはまだ観たことがありません。
トイレや入浴、身体感覚など、作者さんがかなり真剣に想像を膨らませた感じがしました。

>すずなちゃん
ドラマ、終わっちゃいましたね。ハッピーエンドでよかったです。
西野さんは小説のほうが切実に怖かったです。

>エビノートさん
ドラマが始まってから読み始めたので、パパは小説の中でも格好いい雰囲気でイメージしました。
だから尚更、哀れな感じが……。小説のパパのムスメ溺愛っぷりが気に入っています。

TBありがとうございました。
コミカルでとても楽しく読みました。
TVを見ていたので、入れ替わる場面、伝説の桃ではなくてこわかったですね。

花さん、こんにちは。お久しぶりです。
こちらこそ、TBありがとうございました。
入れ替わる場面以外は、ドラマは小説に忠実に作ってありましたね。楽しい本でした。

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