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2007.07.17

サイン会はいかが?:成風堂書店事件メモ

サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)  大崎 梢 2007 東京創元社

書店限定名探偵のシリーズ3作目。
2作目『晩夏に捧ぐ』は長編だったが、今度は短編集で、1作目の『配達あかずきん』の雰囲気が蘇る。
この作者は、やっぱり本屋さんを描くところで俄然活き活きする。2作目よりも好きかも。
特別付録「成風堂通信」まで読むことができて、ラッキーだった。

多絵ちゃんの出番は以前よりも劣る。その代わり、ほかの社員たちの登場が増え、キャラクターが立ってきた。
書店の日常で起きる事件は、名探偵ではなくとも、謎解きができるような出来事の積み重ねであることが多いだろう。
日常はそうでなくては困る。多絵ちゃんが、ちゃんと普通の子の扱いになった気がしてほっとした。

その中で、表題作の「サイン会はいかが?」は、やや長めで、謎解きの要素が強く、多絵ちゃんの出番もある。
サイン会は成風堂書店にとって史上初めてのイベントと、当の作家から依頼された人探し。
作家さんのサイン会って、行ったことがないなあ。違うサイン会なら……。
そういえば、世界三大紅葉樹というものがある。ニシキギ、スズランノキ、ニッサを指すが、これらの原産地からして北米で選ばれたものかもしれない。

苦痛を訴える人の訴えを取り合わない。そのことが暴力になるときがある。
取り合わなかった人は暴力を振るっている自覚はないかもしれない。
すると、その自覚のなさ、鈍感さが、暴力をますます強化するのだ。
『李陵』の中で司馬遷が「好人物ほど腹立たしいものはない」と嘆いた通りだ。
中島敦は、好人物は腹立たしくはあっても恨むに値しないと付け加えたけれども、暴力は常に禍根となる資格を有する。
嫌われるのでもなく、憎まれるのでもなく、恨まれる。

「バイト金森くんの告白」は可愛い小品だったし、「ヤギさんの忘れもの」も巻末でほっこりとさせてくれる。
冒頭の「取り寄せトラップ」は謎解きものとして前からの流れをそのまま受け継ぐ。

一番好きだったのは「君と語る永遠」かな。
こういうのに弱い。最後のほうは、泣きながら読む。
切なくて、ほろりとする、いい話でした。

ところで、家庭画報よりもゼクシィが重たいらしい。今度、本屋さんで持ち比べてみよう。

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コメント

香桑さん、こんにちは。
さまざまな謎解きがまた楽しめましたね。
やっぱり短編で、書店内の謎が向いているような気がしました。
作家さんのサイン会…たまたま本屋さんに行ったらやってたことがあって。五木寛之さんでした。『青春の門』をちょっと位で、ほとんど読んだことがないのにサインしてもらっちゃった不義理なファンです(汗)。
作家さんじゃないサイン会ってどなたでしょう?よろしかったら教えてください。

『李陵』のお話、深かったです。

藍色さん、こんばんは。コメント&TBありがとうございます。
時々、もっとも悪い悪人って、どんな人なのだろう?と考えてみます。
自分は悪いことをしているとわかってしている人か、悪いこととは思わずにしている人か、悪さを当然のようにしている人か、悪さを好きでしている人か、どんな人なのだろう、と。

えー、サイン会は。
CDを買って、応募券を集めて、葉書を出したら当たったという、某ホテルの一室で行われたあるミュージシャンのサイン&握手会でした。
緊張して、舞い上がって、焦っている間に終わってしまいました……。
いまだに思い出しただけで、にへらにへらとしてしまいますぅ。

香桑さん、こんばんは。
「悪人」については、吉田修一さんの作品に、ズバリ!『悪人』っていうのがあります(あ、レビュー読まれました?)。答えは出なくて考えさせられるばかりなんですけど…。
サイン会、ミュージシャンのサイン&握手会だったんですね。わぁ~うらやましいです。ミュージシャンにはまったく縁がなくって。
“推測”教えてくださってありがとうございます。でもURL入れてみたら、…何かお探しですか? 入力したURLが当サイトのページと一致しません …が出ました。う~ん、残念です。

藍色さん、失礼致しました。うまくいかないものなんですね。また、策を考えてみます。

吉田修一『悪人』は知り合いから借りる予定です。
白石一文『永遠のとなり』と交換なのです。
『僕僕先生』の余韻に浸っていて、まだ次のに取り掛かりたくない気分です。

香桑さん、こんばんは!
先日はたくさんのTBありがとうございました♪
遅くなっちゃいましたが、お返しのTB送信させていただきました(ちゃんと送れてると良いなぁ~)

本屋さんが舞台のミステリって面白いですね。
雑誌も付録を店員さんが一つ一つ挟み込んでることなど、今まで知らなかったことを知ることができて興味深いです。

エビノートさん、こんばんは。ありがとうございます!! こんだけのTB、お手数だったでしょう?
今日、本屋さんで思い出して、ゼクシィと家庭画報を持ち比べてみました。表紙は家庭画報のほうが指が切れそうな厚手の紙でぱりっとしていますが、雑誌そのものの厚みはゼクシィのほうが分厚くて、確かに重かったです。買うほうは一冊ずつでいいけれど、これを棚に並べるのはさぞ難儀だろう、と思いました。普段は当たり前に見過ごしていることも、立場が変われば当たり前の範囲も変わるんですよね。

TBを残しておいただけなのに、コメントまでくださってありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
本屋さんを舞台にした短編集、おもしろかったです。

花さん、こんにちは。本好き、本屋好きには、見逃せないシリーズですよね。
この本のTBもよろしくお願いしますね。

2作目も好きだったけど、これを読んだら「やっぱ、短編の方がいいかも」と思っちゃいました。
「君と語る永遠」には泣けたね~。お父さんのあの一言で涙がぶわっと溢れてきてしまいました^^;

すずなちゃん、どもども。「君と語る永遠」は泣きました。なんかもう、こういうのには弱いのです。
言葉って難しいよね。人から受け取るのも、自分が伝えるのも。

香桑さん、こんばんは(^^)。
本屋さんへの憧れが、ますます・・・になった作品です♪
いかんせん、単細胞生物には勤まりそうにないのが・・・(笑)。
成風堂メンバーのキャラ、立ってきましたね!
ますます、今後の展開が楽しみです~!

水無月・Rさん、こんばんは☆
やっぱり、本屋さんはいいですよねー。
さらりとレファレンスサービスをしてくれる書店員さんと出会うとにまにまします。
最近は、ぐっとくるような書店員さんとなかなか出会わないなぁ。
「本屋さん」を宣伝するためにも、このシリーズ、また出してほしいですね。

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